レポ『神話で読み解く占星術の12星座の物語』山羊座(2)2023/1/13

牡羊座1牡羊座2牡牛座1牡牛座2双子座1双子座2蟹座1蟹座2獅子座1獅子座2乙女座1乙女座2天秤座1天秤座2蠍座1蠍座2射手座1射手座2山羊座1

山羊座2回目は、テキストは軽く流して、伊泉先生の見解をたっぷりお話いただきました。ご自身のサインですからね!著者たちが語りきれてない部分の補足や、テキストへのツッコミ(?)もあり、ほかのサインより熱量がありました。

ここではテキストでとりあげられた神も書いてみます。

今回はヘスティア(ウェスタ)とクロノス(サトゥルヌス)が出てきました。前回のパーンやサテュロスとは反対の、抑制的な神々。

ヘスティア(ウェスタ)は古代の山羊座のルーラー、この女神は山羊座の性質すべてを体現してると書かれてます。

Portrait of a lady as Vestal Virgin アンゲリカ・カウフマン1781 – 1782

山羊座シーズンは寒さで引きこもる、その家の中心にある「炉」の女神。「内なる火」は一人ひとりの内側にあるスピリット、動機づける火=目的意識。またウェスタの巫女(処女)のもともとは神殿娼婦だった説から性的な含みもある。クンダリーニの火をどう使うか。

このへんは小惑星ベスタ2回目でくわしくお話ありました(テキスト本「占星術と神々の物語―ホロスコープの中の元型」だとp.129.〜のヴェスタ章)

もう一神、クロノス(サトゥルヌス)は、今の山羊座のルーラー土星の神。暴君的父であり、ウラノス―クロノス―ゼウスと父殺しが世代間連鎖します。このシリーズの惑星編・土星2回目でも話されてました。

フランシスコ・デ・ゴヤ「我が子を喰らうサトゥルヌス」1821-1823

山羊座のテキストには「父殺し」や「父の罪が息子たちに引き継がれる」もうひとつの例として、アトレウス王家の物語も出てきます。

テキスト以上のことを知りたくて読んでみましたら、血で血を洗う、何代にも渡る血族の抗争、まったくもって悲惨な話でした。

下の絵なんて、ライバルである弟の子どもを殺して料理しちゃってるんですよ。そうとは知らない弟は食べてしまう。事実を知ったとき、兄への恨みいかばかりか。

弟テュエステースの子供を食卓に供するアトレウス。1410年頃、イタリアの挿絵。

やられたことを次の世代(子どもに限らず、部下、後輩など)にしてしまう、虐げるのが繰り返されるとしたら土星のネガティブ。そんな出方ばっかりじゃないけど、心理占星術の著者は土星が大好き、親子の葛藤やその克服が大好きだとわかるボリュームで書かれています。

土星的な親や社会の権威への反逆・反抗のシンボルが「悪魔」、ヤギの角を持つパーンやサテュロスたち。こっちも山羊座の象徴でした。

サテュロスのような性的奔放さや自由さはキリスト教文化では抑えなきゃいけないものとされる。だけども、自然の力、生命力は人間誰しも持っているもの。なのに無理に抑圧すると変な出方をしたり、シャドウになるのでは?

それらも全部肯定するのが山羊座!が伊泉先生の見解でした。

土の最後のサイン山羊座の「土」は生きとし生けるものが還っていく大地。死を受け入れていくからこその達観が「にんげんだもの」。

人間だからしょうがない、欲望はあると受け入れたうえでどう生きていくか。なんでもありでもなくて、土星のブレーキもきかせつつ、土サインの現実的なやり方で。

終わりは必ずやってくると人一倍知っている山羊座、始める前から「どうせ終わる」と冷めていくのか、どうせ終わるなら生きている今を大切にするのか。

エロスとタナトスは表裏一体といいますが、パーンとクロノスも裏表のような気がしてきました。

次回1/27から水瓶座です。水瓶座も山羊座とおなじく、テキスト外の解説をたくさん入れるような予告でした。本を読んでしっくりこなかった方いらしたら、ぜひいらしてください。

神話で読み解く占星術の12星座の物語

  • 水瓶座:1/27,2/10
  • 魚座:2/24.3/10

講師:伊泉龍一先生
20時〜21時(1回1時間)
受講料1回¥3,000

ご予定が合わない方も、終わった星座も、録画でもご受講いただけます。

お申込みはこちらから↓
https://thelema-s.com/online220408.html

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