1回目「太陽」前編、2回目「太陽」後編、3回目「月」前編、4回目「月」後編と「水星」少し、5回目「水星」、6回目「金星」前編、7回目「金星」後編「火星」少し、8回目「火星」、9回目「木星」、10回目「木星」後編と「土星」少し
今回は土星の途中まででした。
土星は「とにかく悪い」のか?
古典の占星術では、土星のもとに生まれたら悲惨な運命とされたけど、ルネサンス期までくると、土星生まれの学者フィチーノが「土星の憂鬱質は学問向き」って持ち上げたとか。
そこからずーっと時代が下がって100年前、現代占星術を始めたアラン・レオは、理不尽な”カルマ”を土星に割り当てたとか。苦しい課題をクリアして人は進化していく。
その流れをくむ20世紀後半のヒューマニスティック占星術ー自己実現、自己成長を目指すポジティブな占星術でさえも土星は悲惨な星だったようですが、
もっと最近のリズ・グリーンになって、”土星の暗闇が明るみに出されてこそ、その輝かしい面も明らかになる”としたそうです。
土星の暗闇とは?
一つは父との問題ですか。前回、土星に入ったところで父殺しの神話がありました。暴君的な父を倒したのに、今度は自分が暴君になってしまう。なんで?それしかモデルを知らないから。父子だけじゃなくて、パワハラや部活のしごきが連鎖するのも同じか。
このパターンから抜け出すにはどうすればいい?と考えるのが心理占星術ですね。親のせいにして逃げるのは違う。
もうひとつ「時」の問題。老い、世代交代。時間を意味するクロノスはゼウスに追い払われました。地位も権力も永遠じゃない、周りの人も去っていく、過去を振り返れば「悪いことしたなぁ」と悔やみもある、身体も衰えれば以前楽しんだこともできなくなる。
書いてるだけで寂しくなってきますが…これも引き受けなきゃいけないことですね。
現実を見よ。限界を知れ。

(古代の宇宙観で土星はいちばん外=限界)
これは別に老年期だけではないかも。老いに厳しい現代ではすぐ”劣化”するし、アーティストやアスリートが自分の限界を知って若くして引退することもある。
でも前と同じじゃなくなるからって、すべてが終わるわけじゃない。鎌を手にした死神が刈り取りにやってくるのは、古い自分。新しい自分にシフトしていこう。

限界を知った上で、もう一度立ち上がる土星力。
失ったものを嘆いて腐ってる暇はないじゃないですか。時の翁の教訓は「時間を無駄にするな、あっという間に過ぎてくぞ」

時の翁が元っていう「隠者」カードには杖をついたおじいさんがいますが、ユング心理学でいう「老賢者」っていう見方をしたら、老いはもうちょっとポジティブになりますかね。時代に関係ない知識を持ってたら、老体になっても居場所ができるのかも。新しい世代を邪魔せずに。
今回の最後のほうで出てきた祝祭も、気持ち新たに再始動するにはいいシステムですね。秩序の反転が逆に秩序を守ることになる、なるほどなぁと思いました。
土星、もう1回続きます。
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神話で本格的に学ぶ現代占星術―惑星編
- 1回目「太陽」前編
- 2回目「太陽」後編
- 3回目「月」前編
- 4回目「月」後編と「水星」
- 5回目「水星」
- 6回目「金星」前編
- 7回目「金星」後編と「火星」
- 8回目「火星」
- 9回目「木星」
- 10回目「木星」「土星」
- 11回目「土星」
- 12回目「土星」
1回約90分
受講料1回¥4,500
講師:伊泉龍一先生
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講師:伊泉龍一先生

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