【正義】レポ「ウェイト版」と「トート・タロット」と「マルセイユ版」の絵を比較しながら学ぶカードの意味12回目2024/8/7

1回目「愚者」2回目「魔術師」3回目「女司祭」4回目「女帝」5回目「皇帝」6回目「教皇/司祭」7回目「恋人たち」8回目「戦車」9回目「力」10回目「隠者」11回目「運命の車輪」

12回目は「正義」、マルセイユ版、ウェイト版、トート・タロット、3種とも剣と天秤を持つ女性が描かれてます。

剣と天秤を持つ正義の女神は、昔々、タロットが生まれる前からある寓意画。

ヴァチカン宮殿「署名の間」の天井を飾るフレスコ画「正義の女神」 16世紀 ラファエロ作

何が正しいか、天秤にのせて考えなさい。しっかり考えて、正しい判断、正しい行為をしなさい。

とはいっても、当時は個人が自分で考える時代ではなかった。当時の正しいこと=カトリックがいう正しいこと。正しいことが分からなければ、教会に聞きに行けばよかった。

教えを乞う人たちに語る「教皇」と似た2本の柱が「正義」にもあり、キリスト教の正しさが背後にあるのを匂わせてるようにも見えます。

ウェイト版も絵はほとんど変わってません。

がしかし、20世紀に作られたタロットです。宗教の権威はもう薄れてしまった。何が正しいかは自分で判断しなくてはならない。神じゃなく私が正しいと思うことをやりなさい、に変わったんですね。

生まれによって身分も職業も決まってた中世には選択の自由がなかったから、「私にとって何が正しいか」なんて考えもしなかったでしょう。選べる自由がある今は、自分で考える必要がある。

だけど案外考えないものか。「みんながいいと言ってるものがいいものだ」って思いがち?それだと共同体の正しさに合わせてた中世と変わらないような…

「私にとって」の正しさを考えるとき、個としての生き方を模索することになる。生命の木の6-5-4の三角形がそういう場所(「正義」が該当するパスは5-6の間)、6→5へあがるのは「私にとって」正しい選択をすること。

生命の木

トート・タロットも生命の木由来だけども、ウェイトとは逆向きで「正義」のパスを表現してる?!5から6へおりる向きでパスを見ると「私とは選択した行為の結果」。クロウリーはこれを言いたくてカルマの法則を持ち出してるのか。

タロットをエジプト化したフランスの先人に倣って?エジプトの正義の女神マアトを重ねてます。

Maat is both the goddess and the personification of truth, cosmic balance, and justice. Her ostrich feather represents truth.

死者の審判では、天秤の片方に死者の心臓、もう片方にマアトの羽根を載せる。過去に悪行を犯した者は羽根より心臓のが重い。悪さが判明すると心臓を食べられ、もう蘇れない(やったことが返ってくる、カルマに似てますね)

行為した結果が私。その都度なにを選択するかで変わっていく私。自分にとって何が正しいか考えてないと、どうなることやら。

トートの絵を見ると、シンメトリーで機械的な印象。タイトルを「調整」に変えてるし、このカードは正義よりフランス語のjustesse(正確さ)という単語がふさわしいといってます。精巧な時計のような?(調整には時間の要素がいるとも書かれてます)

硬さと静的なイメージを感じる絵だけど、クロウリーによるとこの絵の女性は踊ってるんだそうですよ。動きが見えないけど?!爪先立ちでバランスとってる姿だとか。バレエダンサー?

クロウリー的には、このカードの女性は「愚者」のパートナー、だから踊っている。そして道化者(ハーレクイン)なのだとか。冷たく堅そうな人物に見えるから意外。

絵の中央のひし形は、ハーレクイン(仏語アルルカン)の衣裳のひし形模様から?

アンドレ・ドラン『アルルカンとピエロ』1924年頃 オランジュリー美術館

ではなくてマンドルラでした。アーモンド形の光背、キリスト教絵画でよく使われるあれ。

中世の装飾写本のマンドルラの中に描かれた雄大なキリスト

(↑世界のカードに似てますね)

聖人を囲む光を道化に使うのがクロウリーらしい?!

そもそも「愚者」と「調整」がなぜつながるの?そこにはクロウリーなりの理由があったのでした。数字のマジックはこじつけみたいに思えましたけど、伊泉先生が紹介してくださったアルファベットを数字に置き換えた歴史の話がおもしろかったです。

(知りたい方は伊泉先生のご著書『数秘術の世界 -Modern Numerology Lesson あなたの人生を導く『数』の神秘』に書かれてますのでご覧ください)

生命の木で「正義」が対応するパスは占星術だと天秤座。天秤座のルーラーは金星、愛の星。また、「正義」のパスの片方のセフィラー5は意志。

「愛は法なり。意志の下の愛こそが」

講座ではお話なかったですが、『トートの書』の「調整(正義)」p.105.に『法の書」からのこんな言葉がありました。

なんとなく思い浮かんでしまったのは、ジョーカーとハーレイ・クイン(絶対ちがう、すいません)

以前の講座の「正義」レポ

次回は8/21「吊るされた男」です。

伊泉龍一先生のタロット講座「ウェイト版」と「トート・タロット」と「マルセイユ版」の絵を比較しながら学ぶカードの意味

講師:伊泉龍一先生

Zoom開催スケジュール

次回8/21「吊るされた男」、以降9/4、9/18、10/2、10/16、11/6、11/20、12/4、12/18

各回:20時〜21時(1時間)

★リアルタイムでなくてもアーカイブでもご受講いただけます

受講料1回¥3,300

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