3回目は「女教皇/女司祭」、22枚の中でいちばん説明が難しいカードだそうです。今回はこんな流れでした。
- 前半は3種のタロットの絵の解説
- トート・タロットのクロウリーのテキストを読む
- 生命の木からの解説
マルセイユ版は、三重冠と聖書でキリスト教の偉い人が表されてるシンプルな絵。でも謎はある。歴史上に存在しない「女教皇」というカードがなぜあるのでしょうか?
いろんな説が本『タロット大全―歴史から図像まで』P.459.からに載っています。
昔、いたと信じられてた女教皇ジャンヌだとしたら、学問に励んで最高位まで登りつめた彼女にとって、手に持つ聖書は普通の人以上に特別な意味があったでしょうねぇ。
ウェイト版はキリスト教色が消されてます。三重冠は古代エジプト風の冠に、聖書はTORAに、タイトルは「女司祭」に。
トート・タロットの「女司祭」もウェイト版と似た冠です。三日月〜満月へ変わってく月の位相を表すかのような形(生命の木で「女司祭」が対応するパス13の占星術対応が「月」)
トートには月の女神アルテミスの持ち物:弓も描かれてます(アルテミスは狩りの女神でもある)。
トートに描かれた弓は琴のようにも見えます。クロウリー自身も「楽器でもある」と書いてるそうですが、アルテミスの双子の兄アポロンは竪琴の名手、月の女神と太陽神が重ねられてる?パスの片側のセフィラー6は太陽だから(勝手な想像です)
そしてトートの「女司祭」はもはや人間離れしてます。虹のベールの向こうに透けて見える、光り輝く存在。光は1ケテルを表しているのか?(「女司祭」が対応するパス13の片側のセフィラー)
ウェイト版の「女司祭」はこの生命の木の全体像を描いているんですね。
黒い柱は木の左側3−5−8の柱、白い柱は木の右側2−4−7の柱。背景の柘榴は生命の木の形。足元の月は「女司祭」のパスの下にあるセフィラー9が対応する月。
「女司祭」のパス13も月、下のセフィラー9も月、別の場所に同じ惑星が当てられてるのが生命の木の占星術対応のややこしいとこです
トートの「女司祭」のような光り輝く何かを目にしたら、ヴィジョンを見た!神秘体験した!と感じちゃう、でもそれは9の月で幻想を見てるだけ。パス13ではない。
実際に見たんだという体験は強く、目にしたものを信じたくなるだろうけど、そもそも光に霊的なもの感じること自体が刷り込みだとしたら?生まれ育った文化の中でそう身につけてきたからでは?(9の月で)
クロウリーは聴覚>視覚と考えてたというのが興味深かったです。目から入るものには惑わされるんですかね。月は光って見えるけど、太陽光を反射してるだけ。反射光を光そのものと思ってしまうのを戒めるために、あえて光り輝く女神を描いたのでしょうか。
光が射せば影ができ、光と闇に分かれることになりますが、「女司祭」のパス13の片方1ケテルは、2つに分かれてない一つの状態、二元性を超えた領域。ってどんなん?
一者とは何か?宇宙とは?生命とは?真実とは?わからない。
トートにはこのパスのヘブライ文字「ラクダ」も描かれてます。あがるのが難しいパスは砂漠をいくようなもの、人の足では厳しいからとラクダに乗ってもたどり着けない。砂漠でオアシスが見えたって、蜃気楼には近づけない。
じゃあなぜこのパスがあるの?永遠に到達できないのに。
伊泉先生は「理想」でお話してくださいました。
ケテルの領域は宇宙とか大きな話になるけど、「女司祭」には私とは何か?という問いもありました。
美人じゃない、お金持ちじゃない、賢くもない、ないないづくしでどう生きるかと考えたとき、ないをあるに変えるのが理想?
それよりゲームから降りて別の道を行きたいけど、別の道って?方向も行き先もわからない。
理想形が見えなくても、今以上に良くなりたいと向かっていこうとするとき、人はちょっと良くなれる、私たちの中にあるスピリットが目覚めるとのこと。
占いで「女司祭」をどう伝えるかのお話は今回なかったのですが、理想に向かうスピリットということから、大アルカナ講座で聞くカードのメッセージにつなげていけるかも。
「女司祭」のパス13を下のセフィラー6から1へあがっていく向きで解説された今回、生命の木講座の「下から上へ」じっくりバージョン(無料の短いのでなく)を聞いたことがある方のほうがわかりやすかったかなと思います。このパスにいたるまでの途中経過を知らないと難しかったですかね。
手前味噌ですが、「女司祭」のパス13は、生命の木講座:占星術から学ぶカバラの「生命の木」10のセフィラー及び22のパスと星座・惑星・元素の関係での説明が(私が受けた中では)いちばんわかりやすかったです。
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