【魔術師】レポ「ウェイト版」と「トート・タロット」と「マルセイユ版」の絵を比較しながら学ぶカードの意味2回目2024/3/6

1回目「愚者」

2回目は「魔術師」。生命の木のほか、ギリシャ神話や錬金術(やグノーシス主義)も出てきて、

1番のカード、マルセイユ版も含むなら、魔術師よりマジシャンと呼んだ方がよさそうです。マジックを行う人は魔術師でもあり、手品師でもあり。

リーディング・ザ・タロット』p.198.に載ってる「カップと玉」で奇術を見せてる人の絵。

ヒエロニムス・ボス「手品師」1502年ごろ

マルセイユ版のマジシャンのテーブルにも似たようなカップと玉、描かれてるのは手品師ですね。

こういうテーブルマジックをみるの、私は好きなんですけども、至近距離で見ててもタネがわからなくて、すっかりしてやられるのがおもしろいです。わざわざ騙されに行くなんてね。マジシャンって人を騙してよろこばれる稀有な職業!

騙すのが得意な神さまがギリシャにいました。トート・タロットに描かれるヘルメス(ローマ名メルクリウス)

Evelyn de Morgan – Mercury, 1870-1873

ヘルメスは生まれたその日から泥棒したりして、嘘の才能が突出してます。でも騙すって頭が良くないとできないですよね。道具の発明もいっぱいしています。両義的な存在。

「魔術師」カードにヘルメス(メルクリウス)を描くのは突飛ではなくて、「魔術師」が対応する生命の木のパス12に対応する占星術のシンボルが水星で、ヘルメス(メルクリウス)は水星の神だから。

神話と水星については伊泉先生の翻訳書『占星術と神々の物語 ーホロスコープの中の元型』p.58.〜の水星のところを読まれるといいかもです。ラスト3行にはタロットの「魔術師」も出てきます。

(その本をテキストにした講座もアーカイブありますよ)

話を戻して、トート・タロットの絵にはヘルメスのシンボル、蛇が巻き付く棒(カドゥケウスの杖)、翼の生えたサンダルが取り入れられてます。

ウェイト版にも巻きつく蛇がいました。

腰に蛇を巻く?なんでまたベルトにしたのか知らんけど、頭の上の♾️と合わせてウェイトが示唆したいことがあったんですね。

ウロボロスの蛇

永遠、無限、生命の木のいちばん上のエリアにあてて。

さてウェイト版のテーブルの上を見れば、手品道具じゃありません。四元素を象徴するアイテムがのっている。元素=元の素材をどう使う?

リラ(楽器)を発明したヘルメスを思います。亀の甲羅が風に吹かれて音が出ていたのをヒントに作ったとか、盗んだ牛の腸と亀の甲羅と組み合わせて作ったとか諸説ありですが、「亀の甲羅」という素材を見て、未だかつてなかった楽器に仕立てたアイデア力を水星に重ねたくなります。

リラを持つアポロン(ヘルメスが盗んだ牛はアポロンのもの、牛の代わりにリラを差し出した)

水星は言葉と関連する惑星でもあります。クロウリーは魔術師カードの説明にヨハネを引用してるそうです。「はじめに言葉あり」言葉が世界を創造する。

新しい言葉によって新しい体験ができるというお話がありました。妙なる表現を知れば体験が豊かになる、たしかになぁと思いました。また、自分では言語化できてなかった感覚や感情を掬いあげたかのような言葉を発見して、体験を味わい直せたりもありません?

伊泉先生があげてくださった例のように、新しい言葉によって人の感性が変わってくのも気になるところ。何気なく使ってる言葉が人々の行動も変えていくとすると、言葉もマジック。使う-使われる言葉にもっと意識的になったほうがいいですね。

水星と魔術師のパス12の別講座のレポ

次回Zoomは3/27「女教皇/女司祭」です。どの回も単発でもご受講いただけますし、アーカイブでのご受講も受付中

伊泉龍一先生のタロット講座「ウェイト版」と「トート・タロット」と「マルセイユ版」の絵を比較しながら学ぶカードの意味

講師:伊泉龍一先生

Zoom開催スケジュール

次回3/27、以降4/10、4/24、5/8、5/22、6/5、6/19、7/3、7/17、8/7、8/21、9/4、9/18、10/2、10/16、11/6、11/20、12/4、12/18

各回:20時〜21時(1時間)

★リアルタイムでなくてもアーカイブでもご受講いただけます

受講料1回¥3,300

詳細・お申し込みはこちらから
https://thelema-s.com/online240221.html

コメント