【第2弾】1回目パス23「吊るされた男」、2回目パス22「正義」
3回目はパス21と「運命の車輪」
伝統的なタロットからウェイトが大きくデザインを変えた中の一枚。
昔のカード(左)は回っている車輪。落ちそうになるとしがみついてます。ウェイト=スミスのは回ってない。雲間に浮かんで安定してます。てっぺんのスフィンクスに守られて。
そしてスフィンクスはまっすぐこっちを見てるようですが、謎かけしてきてるんですね「運命とは何か?」
その答えを出そうとする例をいくつもあげていただきました――分析すれば予測できると考える人、カルマや前世の因縁とする人、神が与えるものと信じる人、など――
ウェイト=スミスの絵には、四隅にキリスト教の聖人を象徴する生き物がいます。というと「運命」とは神の意図なのか?必然なのか?
ちょっと戻って昔のカードをみれば、車輪には取っ手がついてます。(マルセイユ版では描かれてないけど)取っ手を回してるのは運命の女神フォルトゥーナ。
フォルトゥーナは「Fortune」の語源とも聞きます。講座で教えていただいたのは、Fortuneは「運命」というより「運」「偶然」を意味するということ。
偶然の女神だから気まぐれで、頑張ったら上に上げてくれるとか努力してないから落とすとかじゃなく、適当に回してるんですね。だからどうなるかわからない(リーディング・ザ・タロット -大アルカナの実践とマルセイユ・タロットのイコノグラフィー-p.232〜233も読んでいただきたい)
ここで思い浮かんだのは、最近流行りの「親ガチャ」。どういう家に生まれたかで人生が違ってくる、というあれです。
自分で選んでないのに、偶然そこに生まれただけで、努力ではなんともできないくらいの差が初めからあるなら、「ガチャに外れた」人はどこかあきらめた生き方になってしまうかも。
それでも「努力すればいい」「自己責任だ」という意見もあるようだけど、自分がそう生まれてたらどうだったでしょうか。と想像力を働かせたら。
このパス21に対応するのは木星、「寛大さ」のパス。自業自得だと冷たく切り捨てるのは違うようです。
そして木星には「可能性」もありますね。「こういう星の下に生まれたから無理」「自分はまぁこんなもん」と決めちゃってはそこまでですが、まだ見ぬ可能性に目を向けたら?出会いも出来事も「偶然」なら「どうなるかわからない」、それなら自分も変わっていく可能性があるはず。
スフィンクスが出てくるエディプスの物語も紹介がありましたが、ギリシャ悲劇は神的因果性と人的因果性の両方ありますよね。神託どおりに動かされる中でも、人間が自分で選んでる部分もある。現実の世界も、自分でなんともできないことのが多いけど、なんにもできないわけでもない。
次回は11/17、パス20と「隠者」です。またお待ちしております。
お申し込みは、画像かタイトルをクリックで、専用ページからお願いします。
【第2弾】ヴェールの上から深淵の下まで
講師:伊泉龍一先生
次回11/17,12/1
20時〜21時(1時間)
受講料1回¥3,000
終了回は録画受講できます。
- 1回目:パス23/タロット吊るされた男
- 2回目:パス22/タロット正義
- 3回目:パス21/タロット運命の車輪
【第1弾】マルクトからヴェールを抜けるまで
- 1回目:パス32/タロット世界
- 2回目:パス31/タロット審判
- 3回目:パス30/タロット太陽
- 4回目:パス29/タロット月
- 5回目:パス28/タロット星
- 6回目:パス27/タロット塔
- 7回目:パス26/タロット悪魔
- 8回目:パス25/タロット節制
- 9回目:パス24/タロット死
★【第3弾】はパス18〜11,タロット「戦車」から「愚者」です。
【第3弾】深淵の上まで
講師:伊泉龍一先生
12/15, 1/12, 1/26. 2/9, 2/23, 3/9, 3/23(もう一回あるかもです)
20時〜21時(1回1時間)
受講料1回¥3,000
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