タロットの「隠者」が持っていたのは、ランタンじゃなかった?絵柄の歴史が教えてくれること

みなさんが普段使っているタロットカードはどんなデザインですか? おそらく、多くの方が「ウェイト・スミス版(ライダー版)」と呼ばれる、絵柄がはっきりとしたカードを最初に手に取ったのではないでしょうか。

伊泉龍一先生が「タロットの絵柄の変遷(移り変わり)」について、とても興味深いお話をしてくださいました。

一見、占いそのものとは関係ない「歴史の話」に思えるかもしれませんが、実はここを知ると、カードの理解がグッと深まるんです。ご覧ください。

「隠者」のカード、昔は〇〇だった

ウェイト版の「隠者(The Hermit)」のカードといえば、おじいさんがカンテラ(ランタン)を持って、高い山の上に立っている絵がおなじみですよね。

でも、もっと古い時代のカード、例えば現存する最も古い15世紀のイタリアのタロットを見ると、まったく違うものが描かれているんです。

伊泉先生の本『タロット大全: 歴史から図像まで』をお持ちでしたら口絵105やp.494.~老人をごらんください。

なんと、手に持っているのはランタンではなく「砂時計」。 しかもタイトルは「隠者」ではなく、「時(Time)」だったそうです。

「隠者(世捨て人)」と「時間」。 これだけでも、カードが持つコンセプトがまったく違うことがわかりますよね。なぜ「時間」が「隠者」に変わってしまったのか? 誰かが間違えたのか、それとも意図的に変えられたのか……。

そう考えると、ワクワクしてきませんか?

絵柄が変われば、意味も変わる

もう一つ面白い例として、「恋人たち(The Lovers)」のカードがあります。

ウェイト版ではアダムとイブのような男女と天使が描かれています。

が、古いマルセイユ版では、一人の男性が二人の女性に挟まれている構図なんです。そして頭上には天使ではなく、目隠しをしたキューピッドが!

伊泉先生がおっしゃるには、タロットの絵柄が変わる理由はいくつかあるそうです。

  • 木版画職人が単純に絵を見間違えた(コピーミス)
  • その時代の思想に合わせて意図的に変えられた
  • 「生命の木」などの神秘学的な図像に合わせるために修正された

絵柄が変わるということは、当然、カードに込められたメッセージや意味合いも変わってくるということです。

「昔のカード」を知ると、占いがもっと深くなる

伊泉先生の言葉でとても印象的だったのが、こちらです。

「前の時代のカードに注目すると、今のカードの絵の理解が深まります。そこを見ないと、深い意図や意味が読み取れないことがあるんです」

タロットの歴史をたどることは、単なる知識の穴埋めではなく、「その時代の人々が、人生や世界をどう考えていたのか」という意識(マインド)を読むことにつながります。

「なんでここはこういう絵なんだろう?」と疑問に思ったとき、一つ前の時代のカードを見てみる。そうすると、「あ、元々はこういう意味だったのか!」と点と点がつながる瞬間がやってきます。これが本当に面白いんです。

もっと詳しく知りたい方へ:伊泉先生の講座のご案内

今回のような「タロットの歴史と図像の謎解き」や、そこから広がる「実践的なリーディング」を学びたい方へ。現在、以下の場所で伊泉先生の講座が開催されています。

【京都】NHK文化センター京都教室

タロットの絵のミステリーを解く――その起源と象徴の謎に迫る1回完結講座

  • 日程:12/14(日曜)午後13:00~16:00
  • 内容: 15世紀から現代に至るまでの絵の移り変わりを、3時間でたっぷりと。歴史的背景を踏まえて、いくつかのカードを具体的に解説します。
NHK文化センター | 好奇心の、その先へ NHKカルチャー
「好奇心の、その先へ」NHKカルチャーは、株式会社NHK文化センターが提供するカルチャーサービスです。一流の講師による多彩な講座をご用意して、あなたの興味や好奇心に答えます。

【東京】新宿・朝日カルチャーセンター

タロットの極意 カードの絵の解説から占い方まで

  • 日時: 11/14, 12/19、金曜夜19:00~20:30
  • 内容: 実際の占い方をメインにしつつ、毎回数枚のカードを取り上げて、歴史的背景もしっかり解説します。途中からの参加も歓迎とのことです(1月以降も続きます)
タロットの極意 | 朝日カルチャーセンター新宿教室
タロットのカードの一枚一枚の絵を詳しく解説していきます。大アルカナを学ぶのに大切なことは、カードの「占い上の意味」を覚えることではありません。まず、カードの絵に何が書かれているか、そしてその絵が全体と…

【名古屋】当教室(テレーマ)

基礎からしっかり学べるタロット(大アルカナ)

  • 今後の日時: 12/15, 2026年1/19, 2/16, 3/16, 4/13、月曜14:00~16:00
  • 内容: 大アルカナ22枚を、1枚ずつじっくり時間をかけて解説しています。YouTube等の動画で「もっと続きが聞きたい!」と思っている方にぴったりです。
  • アーカイブ受講: 過去の回も録画でご覧いただけますので、いつからでもスタートできますよ。
伊泉龍一先生の基礎からしっかり学べるタロット(大アルカナ)2025年9月〜名古屋対面講座
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ご参考までに、絵の変遷にご興味がある方には、3種のタロット(マルセイユ版・ウェイト版・トート版)を比べる講座もおすすめです。オンライン開催のアーカイブございます。

「隠者」の回のレポ貼っておきますね。

「ウェイト版」と「トート・タロット」と「マルセイユ版」の絵を比較しながら学ぶカードの意味

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https://thelema-s.com/online240221.html

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