ディオニソス・ザグレウス神話

先日の海王星講座、テキストにはディオニュソスの出生についても書かれていました(占星術と神々の物語 ーホロスコープの中の元型p.249.)。

母は誰かというと

  • 一般的なギリシャ神話では王女セメレ(人間)
  • オルフェウス教の神話では地下世界の女王ペルセフォネ
  • エレウシスの秘儀では大地の女神デメテル

神話によって違ってるんですね。

エレウシスの秘儀は小惑星講座のケレス回でもちょっと出てきましたが、オルフェウス教とはなんだろう?とググってみましたら、独特の教義をもつ密儀宗教のようです。

古代ギリシャでは「死んだら終わり」、一般に死後の世界は語られなかったのが、オルフェウス教では魂は永遠に続いていく輪廻転生が信じられていたとか。「肉体は魂の牢獄」だから解脱を目指す、なんかプラトンみたい。

教団名になってる伝説の詩人オルフェウスは、冥界に行って生きて帰ってきたレアな人。「死と再生」の象徴的存在でしょうか。

彼らが崇拝したのがディオニュソス神で、でも元はザグレウスという別人?別神?だったの?

ザグレウス/Zagreus

ギリシア神話の神。オルフェウス教でディオニソスと同一視される。ゼウスは蛇に姿を変えてペルセフォネと交わりディオニソスをもうけるが、これに嫉妬(しっと)したヘラは、ティタンをそそのかしてディオニソスを襲わせ、八つ裂きにして食わせてしまう。しかし心臓だけがアテネによって救われたため、ゼウスはティタンを稲妻で焼き殺す一方、この心臓を飲み下し、のちにカドモスの娘セメレを誘惑したおりに、新たにこれをディオニソス・ザグレウスとして誕生させた。ザグレウスとは「引き裂かれたる」という意味で、非ギリシア(おそらくはフリギアかトラキア)系の名前である。[丹下和彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について

これならペルセフォネの息子でもあるしセメレの息子でもありますね。「引き裂かれる」もテキストに何度も出てきましたし、ふむ。気になる存在ザグレウス。

そしたらタイムリーにも!ザグレウスが主人公のゲーム動画を発見!

古代ギリシャ研究家:藤村シシン先生によるザグレウスの神話が聴けました↓

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