レポ◆内なる「女性性」の元型としての小惑星1回目「ケレス」2021/7/9

小惑星の初回。

小惑星の意味の元は小惑星の名前になっている女神の神話ということですが、まずこの講座で使うテキストの著者たちのスタンスの説明がありました。

  • 1970年代からのスピリチュアリティ・フェミニズム
  • ユングの圧倒的な影響(とくにシンクロニシティ)

こういう視点なので、ホロスコープの(というか社会全体の)男性中心主義に物申すタイプであり、ユング派らしく縦横無尽に話を広げていきます。”物語の普遍性”を言いたいがため、おなじみのギリシャ・ローマ神話だけじゃなく、もっと古いもの、他地域のもの、いろんな話をもってくるんですよね。

出てくる人名・神名も大量だし、初めての方はテキストに面食らわれたかもと心配していますが、ひとつひとつクリアじゃなくても大丈夫で、伊泉先生がおっしゃってたように「言いたいことは何か、ポイントをつかめばいい」のでしょう。

今回のケレスは「母性」、月との違いがポイント

ケレスは娘とセットで語られます。

  • 母:ケレス―ギリシャ名デメテル―穀物神
  • 娘:幼名コレ―冥王ハデスの妻となりペルセポネに名変―地下世界の女王

大事な一人娘が連れ去られ、奪還するまでの物語が有名ですね。穀物神が嘆き悲しむ間は冬となり、地上に戻ってくると植物が再生する、自然現象を表す神話とも言われます。

もうひとつの見方が”女の子の成長ストーリー”だということ。母と離れ、大人になる。自立の物語として読むと、月の母子関係との違いがみえてきます。

ケレスで母との関係をみる、ということもできるようです。これは男女限らずですね。土星で父との関係をみるように。しかも実際の親子関係に限らなくて、上司や夫に土星をみてしまうこともあると土星回で聞きました。それがケレスだと、彼のおかんになってしまったり?痛々しいケースが次回に続きそう。

サブストーリーとして、ペルセポネを捜索中に立ち寄った地エレウシスで、老女に化けたデメテルが王家の乳母になってあれやこれやした神話も出てきました。

穀物神らしく王の息子に農業を教え、一番下の息子(赤ちゃん)に不死を与えようとしたとか(赤子を火にくべるのは、小麦を焼いてパンにするさまだとする説もあるみたいですけどどうなんでしょう)。

こうやって手ほどきして教えるっていうのもデメテルのもうひとつの顔なんですね。子どもが地上で生きてくためにいろいろなことを教えてくれる母、これもケレス。

この地で生まれたカルト:エレウシスの秘儀とこの司祭が関係してるっていうのも興味深かったです。

次回は7/23はケレスの続き(からパラスに入れるかな)です。今度はもう少し具体的な話になると予告されてました。またお待ちしてますね〜


雑談で「小惑星の本ってあるの?」からご参加されてた方が紹介してくださった本、こちら

終了した回も録画配信できます。

お申し込みは、画像かタイトルをクリックで、専用ページからお願いします。

内なる「女性性」の元型としての小惑星―女神たちの伝承と小惑星

講師:伊泉龍一先生

受講料:1〜5回目は¥4,500、6回目は¥3,000

  • 1回目「ケレス」途中まで
  • 2回目「ケレス」続きから「パラス」途中まで
  • 3回目「パラス」続きから「ジュノー」途中まで
  • 4回目「ジュノー」続き
  • 5回目「ベスタ」途中まで
  • 6回目「ベスタ」

この本の対象部分をPDFでお配りします。本をお持ちでなくても大丈夫です。

占星術と神々の物語 ーホロスコープの中の元型

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