1回目は天王星(1)、2回目は天王星の続きです。
19世紀末、初めて天王星の意味を作ったアラン・レオは、神話から意味づけたわけじゃないんですよね。天王星は水星の高次のバイブレーション、理性・知性(水星)のオクターブ上だから ”独創性、天才、発明、発見”
発明・発見って、論理のレベル(水星)を超えて、電気がスパークするようなひらめきを受ける感じ?
20世紀後半になって占星術に神話が取り入れられると、天王星の名になっているウラノスと上の意味をまず結びつけたんですかね。ウラノスは”創造神”だから”発明・発見”。
でもね、シンクロニシティから出てきたほうのキーワード ”革命、反逆” は合いませんよね?だってウラノスは息子クロノスに倒されたほう、フランス革命でいえば絶対王政側じゃないですか。占星術本でもやもやするとこでした。
そこで80年代に導入されたのが、偉大な反逆者プロメテウスみたいです。
プロメテウスは人間を作り出し、人間に火を与えた。神に背いて。
火は文明の元って歴史で習いました。食べ物を加熱したり、金属加工もできるようになった、そこから文明が始まった。
そして近代の火は、迷信の闇から人々をひっぱり出した啓蒙の光。「理性」の時代がやってきた→「科学」の発展→産業「革命」と、天王星のキーワードがつながっていきます。
ここで興味深いのは、科学やテクノロジーと関連付けられる天王星だけど、テクノロジーに「反逆」するのも天王星的だということ。
工業化と大量消費社会がやってきて、古くはラッダイト運動があった(アーツ&クラフト運動もそうかな?)、半世紀前にはヒッピーやニューエイジャーがエコでロハスな暮らしを目指した、今なら、人類の経済活動が地球を破壊してるっていう人新世とか?
でも現代人はなんだかんだ言って科学の恩恵を受けてますよね。なしではいられない、もう原始人には戻れない。知らない間にテクノロジーに支配されているかも。
実はマトリックスの世界だったらどうする??
子どもたちを飲み込んでいった暴君ウラノスのように、科学が暴走して人間を飲み込んでいく可能性はありますよね。私はAIやアンドロイドもののSFが好きなせいか、シンギュラリティがこわいです。
そこまで行かなくても、テクノロジーは体制に組み込まれているし、というよりも体制側じゃないと新しい研究をすること自体も難しいのが現状では?独創性をキープするのは難しいんだろうな。
と思う中で期待するのはZ世代だなぁ。Z世代の前半生まれは天王星がオウンサイン水瓶座。まだ見たことない革新をもたらしてほしいですね。
次回は11/12、天王星が続きます。

天王星・海王星・冥王星を深く学ぶ―神話の「元型」とトランスサタニアンの意味
講師:伊泉龍一先生
次回11/12,11/26,12/10、2022年1/7
隔週金曜
夜8時〜9時(1回1時間)
受講料1回¥3,000
終わった回は録画で受講いただけます。
- 1回目「天王星」1
- 2回目「天王星」2
★同じシリーズの先に終わった惑星・小惑星も録画配信できます。
神話で本格的に学ぶ現代占星術―惑星編
2021年1月〜7月に開催
- 1回目「太陽」前編
- 2回目「太陽」後編
- 3回目「月」前編
- 4回目「月」後編と「水星」少し
- 5回目「水星」
- 6回目「金星」前編
- 7回目「金星」後編と「火星」少し
- 8回目「火星」
- 9回目「木星」前編
- 10回目「木星」後編と「土星」少し
- 11回目「土星」
- 12回目「土星」
1回90分
受講料¥4,500/回
講師:伊泉龍一先生
内なる「女性性」の元型としての小惑星――女神たちの伝承と小惑星
2021年7月〜9月に開催
- 1回目:ケレス
- 2回目:ケレス、パラス
- 3回目:パラス、ジュノー
- 4回目:ジュノー
- 5回目:ベスタ
- 6回目:ベスタ
1〜5回目は1回90分、受講料¥4,500/回
6回目のみ60分、受講料¥3,000
講師:伊泉龍一先生
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