1回目は「ケレス」の途中まで。2回目の今回はケレスの残りとパラスに入りました。
ケレスの女神
ギリシャ名:デメテル
ローマ名:ケレス
がその前に、「なんのためにこんなに神話をみてくの?」ってお話がありました。
占星術に神話が取り入れられたのは、ジョセフ・キャンベルに代表される神話ブーム、それにともなうユング派の神話解釈への注目という背景があったからみたいです。
- 「神話は現代人にも当てはまるのでは?問題解決の鍵があるのでは?」神話を”人生の教訓”として見る本の流行。
- 「人間の欲望や内面の葛藤が神々の姿をとって現れてくる」普遍的な心の物語とするユング派のアプローチ。
これが占星術に取り入れられて(リズ・グリーンなど)ホロスコープを読むときに、惑星にちなんだ神話で解釈されるようになった、だから神話をいっぱい並べて説明しているのですね。
土星で例を上げていただきました。
- 子どもを飲み込むサトゥルヌス神話のように、自分の地位を奪われないよう、新しく入ってきた人を潰してしまう
- (サトゥルヌスは農耕神)種をまく時期は決まってる、季節は待ってくれない。「先延ばしせずに今日やろう」という教訓にもなる
今回のケレスも穀物神で農耕と関係があります。でも大事な娘がいなくなると、仕事は手に付かない、食べものさえ喉を通らない母なのです。娘を連れ去るハデス(冥王星)がやってくるときは要注意!
だけど、娘をずっと腕の中に抱き続けるの?いつまでも離さない、離せないのも問題だよなぁって話です。これは母子関係だけでなくて他の人間関係でも、女性だけじゃなく男性でもありうるわけで、恋愛の例には震えました…。ケレスにも教訓がありますね。
続いてパラスへ
パラスの女神
ギリシャ名:アテナ(パラス・アテナ)
ローマ名:ミネルウァ
アテナの基本性質は、出生の物語にあり!
父ゼウス(木星)の頭から鎧兜の完全武装姿で生まれてきた!
頭=知性、鎧=戦い、というと、水星や火星とどう違うの?を順を追って解説がありました。
アテナはメデューサ(目を合わせた者を石に変える怪物)の首をくっつけた盾を持ってるといいます。クリムトの絵だと胸の首飾りとして描かれてますが、メデューサの髪は蛇、蛇の知性もアテナの知性のひとつだということ。
そしてローマでミネルウァとなったアテナは知恵の象徴フクロウとともにいます。ローマのほうがこの女神の「実用的な知性」をありがたがったみたいですね。
(以前、藤村シシン先生の「古代ギリシャの科学にせまる」講座で聞きました。古代ギリシャでは発明がいっぱいあったのに全然実用化されなかったとか。古代ギリシャの科学は ”美しさ” にこそ価値がある、実用など知らん!だったそうで、実用化したのがローマだったようです)
こうした知性があるかどうかが火星(アレス)との違いでもあり。
そして女性が男社会でどう戦うのか、昔ながらの男女の役割分担に迎合するんじゃなく、自立して生きるってどういうことかを教えてくれるのがパラス・アテナみたいです。
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内なる「女性性」の元型としての小惑星―女神たちの伝承と小惑星
講師:伊泉龍一先生
受講料:1〜5回目は¥4,500、6回目は¥3,000
- 1回目「ケレス」途中まで
- 2回目「ケレス」続きから「パラス」途中まで
- 3回目「パラス」続きから「ジュノー」途中まで
- 4回目「ジュノー」続き
- 5回目「ベスタ」途中まで
- 6回目「ベスタ」
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