展覧会をみて

この半月で2つの美術展に行ったのですが、対照的でした。

ひとつは名古屋市美術館で開催中のランス美術館コレクション

こちらは19世紀のフランス風景画、目に見える世界の絵。

もうひとつは愛知県美術館でのトライアローグ

こちらは20世紀の西洋美術。目に見えないものー感情、抽象的な概念、深層心理、超現実などーを表現した絵がたくさん。

見えるものを描いた絵は見たまんまだけど、見えないものを描いた絵はよくわからないのもある、だけど妙に心を揺さぶられるのもあるんですよね(小アルカナと大アルカナみたいな?)

最近の展覧会ではキャプションも充実してるんで、つい読むんですけど、”世界大戦を経て人間の理性を疑うようになった”芸術家が、”偶然できた模様の中に、つい見えてしまうイメージをつかみとろうとした”なんてのは占いに似てるなって思いました。

理屈で考えてもうまくいかないとき、たまたま出たカードがはっとさせてくれることあるじゃないですか。タロットの絵が何かを投げかけてくれる。

あるいはホロスコープ。たまたまその日その時間に生まれた、偶然の星の配置からイメージをつかみとろうとするんですもんね。無意識にあるものを表に出す試み。

あとこの言葉には錬金術を思いました。

創造的なのは、まさに途中の過程であり、それこそもっとも大切なもので、生成は存在にまさる

―パウル・クレーの日記から

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