「タロットのリーディングをもっと深めてみたい人のために」講座の文字起こししたもの

伊泉龍一先生◆タロットのリーディングをもっと深めてみたい人のために

(一部カットあり。記事のコピペはご遠慮ください)

今日も20〜30分を目処に。前回(6/4)は40分くらい喋っちゃったけど。今日はじめて見る方もいると思うんですけど、前回前々回と無料講座を2回聞いてくださってる方もいます。

無料講座をやって良かったなと思うことがあった。それは、こう言われたこと。「本とかすごい難しそうだから、なんか講座行こうかなと思ったけど、きっと難しいんじゃなかろうかと思って、それでためらってたけど、無料講座聞いたら本よりわかりやすいですね」と言われたんですよ。そうなんですよ、これ、大事なポイントだなと思いました。

皆さん、初回も言ったように、無料講座を聞いたらSNSで拡散してください。「実は講座はわかりやすい」「講座を受けたほうがいい」と拡散してください。無料講座の目的の一つは、初回で言ったように、偽善ぶらずに言うと、自分の講座の宣伝ももちろんあります。僕自身講座やってますよ、という宣伝もあります。ふだんなかなか足を運ぶ機会がない人にも僕のこと知ってもらうというのも一つです。

もうひとつは、純粋にタロットの面白さというのを広めたいというのもあります。前も言ったように、僕がタロットはじめたときに、すでに先輩方がタロットをこの日本で広めていて、タロットの世界というのがすでにありました。そこに僕がぽーんと入ったわけです。

僕もいつ死ぬかわかんないけど、もう年もとってるし、そろそろ次の世代に広めていくっていうことで、普段講座に来てくれない人にもタロットの面白さを伝えたいと思うんですが、今日は本当にそのおもしろさを伝えたい所の核心部分になると思うんです。

というのも、最初に言っとくと、20年ちょっとタロットやってるんですけど、20年て僕は長いなぁと思うんですよ。人生でずいぶん長い間タロットと付き合っちゃったなと思うんですよ。最初はこんなに長い期間付き合うつもりもなかったんですよ、本当は。最初の一冊目の本を書いた時点でもここまで長い付き合いになるとは思ってなかったんですよ。当初、次は占い以外の本を書こうと思っていたのでね、野望としては。

ですが、長い付き合いになってしまいました。いろんな理由がもちろんあります。でもその重要な要素の一つとして、誰でも長く続くものってそうだと思うんですけど、タロットが面白かったからなんですよ。おもしろくなかったら、さすがに20年間続けないですよ。

僕そんなに趣味は多い方ではないと思うんですけど、結構オタク気質なところもあって、本を読んだり、音楽を聴いたり、ジョギングをしたり、料理をしたりとか、好きなこと結構いろいろあるんですよ。インテリアも好きだし、いろいろ。だから別にタロットにこだわって、20年間やらなくてもよかったのかもしれない。でもやったのは面白かったからなんです。

じゃ僕がなぜタロットを面白いと思ったか?あることに気づいたからなんです。そのあることを今日は伝えられたら成功かなと思います。皆さんも今日、僕が面白いなと思ったある部分、それを聞いて「あーそうだ」と思ってくれたら、皆さんも今まで以上に、もしかしたらタロットのことを好きになれるかもしれない。

ただ最初に言っておきます。今日は結構、占いの常識みたいなものをちょっとひっくり返す話になります。これはあくまで僕の個人的な考え方なので、他の方の考え方と違ったとしても、別に他の方の考え方を否定するつもりも「そんなのダメだよ」というつもりもありません。あくまで僕の個人的な考え方です。

ですから皆さんも、僕の通常の講座に来てるときはいつも一応お断りしていますけど、「僕が言ったとおりやるのが本当のやり方で、それをやれ」なんてことは一度も言ったことがないんですよ。僕が言ったことのエッセンスを、皆さんが「あぁ自分でもそこは共感できるな」っていうのを拾って、自分なりのやり方を作ってってくださいっていう、そういうつもりで言ってます。なので、もしかしたら今までの中でいちばん過激なことを言うかもしれません。

そこで気に食わなかったときに、これやめてね、初回に言ったけど、SNSで悪口書かないでね。多少傷つくので。傷つくどころか、無料でやってんのになめんなよとか思うもんね、こっちは。だからつまんないなと思った人は沈黙しておいてください。SNSで何も発信しない、それが思いやりでしょ。もちろん面白いなと思った方はもちろんね、僕の目的に賛同した方は広めてください。

では、早速今日の本題に入っていきます。もう5分ぐらい使っちゃったけど。

前回「正義」のカードを取り上げたと思うんですよ。大アルカナの中の「正義」と呼ばれるカード。で、その絵を見て、カードの絵を直観するってどういうことなのかっていうことの、ほんのイントロダクションをやりました。今日はその直観するというその続きの話にももちろんなっていきます。

そこでですね、今日はプロの方とかも結構いらっしゃると思いますので、僕もそういう気持ちになってるのでプロの方も同じ気持ちになっていただきたいんですよ。それは初回のときに、今回講座をやる目的とは別に、今回講座をやるときの自分の心構えというのがあると言いました。それは何かって言うと、長年タロットやってると、どうしても初心を忘れるんですよ。で、初回に言ったように、今回の無料講座は全部、タロットを始めたばかりの初心の頃の気持ちに戻って喋ろうと思ってるんです。

何かほら、初めてやったころって、カードの絵を見て「不思議な絵だなぁ、何だろう、これ」ていう好奇心、そしてわくわくするみたいな感覚ってなかったですか?僕が過去を思い出して、20数年前を思い出したときに、タロットがまったく新鮮だった時の気持ちを思い出したときに、いちばん自分の心情として思い出すのは、絵を眺めて「変な絵だなぁ」「面白い絵だなぁ」と思った、絵への好奇心なんですよ。

なのでプロの方とかも、長年やってると自分なりのスタイルもできあがってるでしょうし、カードの絵の自分なりの考え方みたいなのもできあがってると思うんですけど、いったんそれを今日は忘れて、絵を見るという感覚で、その初心の頃の感覚に戻っていただきたいんですよ。そうするとね、結構、今まで思っていたタロットへのイメージと違ったイメージが、カードのほうからやってくるかもしれません。

で、「正義」のカードを見てください。

前回こんな説明をしました。聴いてない人もいるんで、サラッと言いますよ。ぎゅっと凝縮して言います。このカード見えますか?手元にある方は手元のカードを見てください。特徴は、人が片手に天秤を持ってて、片手に剣を持っている、で、前回こんな説明をしました。天秤ってどういう時に使うかってことです。タイトルがそれを示唆します。「正義」というタイトルです。正しさです。

前回、これをキーワードにして天秤の意味をごく簡潔に説明しました。通常の1枚1枚カードの絵を説明するほど、もちろんちゃんとは説明していないけど、初心者の方でもつかみとなる部分は説明しました。

例えばこういう例を出しました。私たちは何が正しいかと考えるときに、天秤を使って日本人も考えるんですよ。AかBどっちにしようかなというときに天秤に乗せて比較しませんか?

Aという冷蔵庫、Bという冷蔵庫、どっちか買おうかなと思ったら、値段とかデザインとかを比較しながら、自分にとって適切な正しい冷蔵庫選びをしませんか?前回とは違う例かもしれないけど、これが天秤のイメージなんですよ。

天秤で比較していって、こちらが自分にとって適切な冷蔵庫だなって見つかったら、もう迷いはなくない?皆さんも実際に何か買う時のことを想像してみてください。

ちなみに言っとくけど、このカードは別に買い物のカードではないですからね。今日この話聴いて「正義のカードは冷蔵庫を買うっていう意味なんだ」って覚えちゃダメですよ。そういう意味じゃないから。例えですよ、例え話。

決められないって時には、天秤にまだ全部乗っかってないんですよ。全部乗っかって比較した時に、それでも決めずらいってときあるかもしれないけど、往々にして「やっぱりこっちのLGの冷蔵庫かな、日立のは今回はやめようかな」とか答え出しませんか?

そしたら、もう迷いないはずなんですよ。剣で切ることができるんじゃないんですか?例えば「本当は日立の方が、自分が欲しかった機能が入ってるんだけどな、でもサイズと値段とデザインで考えたらLGだよな、やっぱりそっちが大事だよな」ってなったら、自分の欲しかった機能は「でもそれなくても冷蔵庫として使えるからいいか」って割り切りませんか?

これが正義のカードです。正義の絵の説明です。通常の講座では1枚1枚こういうふうに具体的なことに落とし込んで、カードをきちっと説明します。さっきも言ったように、僕が普段翻訳してる本より、僕の講座のほうが断然わかりやすいんです。翻訳してる本がだめっていうんじゃなくて、こうやって日常のベタなことに落とし込むからです。

なぜなら皆さん、講座に来てくれてる人たちっていうのは、実際の占いの現場でタロットを使いたい人が多いと思っているので、ときには哲学的な難しい話もするけど、最終的には必ずこういう日常のことに落とし込みます。

これで全く初めての方でも、この天秤と剣の意味を理解できたことになってませんか?わかりますか?通常これは「剣はなんとかの象徴で、ギリシャ神話でなんちゃらかんちゃらで」ってタロットの本の解説を読んでも「ふーん」とか思って右から左へ流れません?ですよね。

でも皆さんはこの説明を聴いたら、この剣と天秤のイメージが、日常の出来事に重ね合わされることによって「そういうことかー」ってなりませんか?そしたらもう簡単なんですよ。

このカードが占いに出たら、いいですか、皆さん、そう「あなたが今悩んでることを天秤に乗せて正しい答えを出しなさい。そして余計なものは切ってしまいなさい」っていうメッセージじゃないですか。極めてシンプルなんです。

「てことは」って自分の状況を振り返ればいいんです。そしたら引っ越ししようかなとか、離婚しようかなとか、仕事辞めようかなとか、いろんな質問に対して、このカードのメッセージを当てはめることできませんか?重ね合わせることできませんか?これが前回の要約であると同時に、明快に整理しました。

ところがなんですよ。こう言われると、ごく当たり前で、確かに絵に描かれてることだなって思うはずなんですよ。前回「マジシャン」のカードの絵もちらっとだけやりましたね。「正義」ほどくわしくやってないですけど、1番のカード。このウェイト=スミス・タロットじゃなくて、昔のタロットのデザインで絵を見せたかもしれない、この1番のカードは、テーブルの上に物があって、それを使って何かをやろうとしている人物。この絵も見せましたね。

これも絵を見たら、物があって、目の前のものを使ってこの人が何かをやろうとする、これを自分の質問の状況に合わせて考えて想像するんです。イマジネーションなんです。タロットは。想像力なんです。

そうすると、今自分が悩んでることがあったとしたら、あぁ、今悩んでることに対して、「そっか自分の目の前にあるものを使って、自分から何か働きかけてみなきゃ」タロットの本に書いてあるように、始まりのカードなんですよ。自分から始めなきゃダメなんだなっていうふうに、このカードが訴えかけてくるように見えてきませんか?

前回やったように皆さん、この画面を見てくださいね。皆さん、今何か悩んでいるとします。どうしようかなぁ、やってみようかなぁ、うまくいかないかなぁとかいろいろ考えているとします。

そういう風に悩んでる状態で、いいですか、エクセサイズですよ。悩んでるーと思ってパッと見てください。そしたら、やろうかどうかじゃない、「やってみたら」とカードは言ってませんか?今自分の目の前にあるものを使ってとりあえずやってみたらって言ってませんか?

それを感じられるとしたら皆さんは、直にカードのイメージを感じられるようになってきてます。これは、タロットを解釈することで頭を悩ます必要がなくなるし、カードの占い上の意味のキーワードを10個も20個も覚えていく必要が一切なくなります。これが、僕が信じるタロットの極意なんです。僕のやり方です。

だから僕の通常の講座では、カードの意味を一切覚える必要ないと断言します。それから解釈する必要はないと断言します。カードの解釈に悩む必要ありません。私たちはカードの絵を開いた瞬間、カードが何かを訴えかけてくることを感じられるようになります。ここで皆さん想像してみてください。たった2枚をほんの数分だけ説明しましたけど、カードの絵が見えてきてませんか?

これ講座の勧誘っぽくなるけど、これをね、毎回もっと1枚1枚丁寧にやるんですよ。そうすると講座に来てる方は、自然とこうなるはずなんですよ。それでプロになってる方も実際何人もいらっしゃいますから。カードの絵を開いた瞬間、なんにも考えることなく、22枚すべてのメッセージを感じられるようになったら、どうですか。タロット占いは、まぁ言っちゃなんですけど、楽勝になりませんか?

もちろんそれを、質問者に自分なりの言葉で言語化して伝えるためには、それぞれの練習が必要かもしれません。でも、カードが何かを伝えようとしていることを感じる段階までは、等しく全員到達できるんです。しかも短期間で、こうやって数分の説明でいけるんです。おわかりいただけますでしょうか?

ところがなんですよ。ここからさらに本題です。

こんな当たり前のことがなぜできないのか?それはタロットそもそもの問題ではなくて、占いに対する基本的なある考え方なんですよ。

つまり、私たちは子供の頃から日本という環境の中で生きていると、日本人独特の占い観っていうのがあります。その日本人独特の占い観ということを、勉強するまでもなく、なんとなく自然に吸収しちゃうんです、占い好きの人たちはみんな。そうすると占い観、占いとは何であるかっていうことについて、考えるまでもなく当たり前となってしまってる前提っていうのがあるんですよ。わかりますか?

これは別に占いとは限らずに、日常の中で習慣化していることのあらゆることが、改めて振り返るまでもなく、ある前提に則っていて、前提は見返すことがないでんす。その前提に則って考えちゃうんですよ。実はこの占いに関しても同じことが起こってるんです。その一つです。

例えば、皆さんこうやっちゃいません?プロの占い師さんたち、怒らないでくださいね。質問者に「私、今新しい仕事を始めようと思ってんですけど、その仕事を始めてうまくいきますか」って言われたら、例えば「正義」のカードが出たら「うまくいくカードなのか、いかないカードなのか?」ってカードを見ちゃいませんか?そして、うまくいくか、いかないかっていうメッセージを告げようとしませんか?

「マジシャン」でもそうです。うまくいくか、いかないか?と聞かれたら、「マジシャン」の絵を見てうまくいくか、いかないか?と考えちゃいませんか?そうするとどうなるかというと、このカードはうまくいくのかな、いかないのかな?、占いの本に書いてある占い上の意味ってあんまり役に立たなかったりします。

例えば「恋愛だったら、新しい恋の始まり」とかいろいろ書いてあるんでしょ?よく知らんけど。そのキーワードが当てはまらない場合は、どうするかっていうと、このカードが、なんとなく自分がいいと感じるか、悪いと感じるか、とかいうふうにカードを見ちゃうわけです。

そうすると、黄色で塗られているこのカードのバージョンだと、明るい感じだからなんとなく良さそうだから、ついついうまくいくって言っちゃうんですよ。たぶんこんな感じの占いになっちゃうんです。

占いの現場でプロの方は、別にそれで困らないかもしれない。質問者も「あぁそうですか」て喜んで帰るのかもしれない。もちろんそれでスプレッドで他のカードも出してるから、アドバイスカードとか他のカードも読んであげて、なんとなく形になってるのかもしれない。

でも考えてみてください。この絵ってなんて言ってました?うまくいくっていうのではなくて、始めるっていう事の大事さを訴えてるカードじゃなかったですか?現に、日本中のタロット占い師さんの書いているタロットの本で、このカードはどの本を見ても「始まり」のカードって書いてません?「始まり」なんです。

てことは僕だったらこうですよ。「私、新しい仕事をやろうと思ってるんですけど、うまくいきますか?うまくいくならやりますけど、ちょっと迷ってるんですよ」と聞かれたら、僕だったらこうですよ。「うまくいくかどうか気になってるんですね」ということは一応受け入れますよ。

受け入れた上で、「ただね、このカードに出てるのは、ものごとには未来が決まっていて、確かに上手くいくって決まってることももしかしたらあるかもしれないけど、でもこれってね、今大事なのはうまくいくかどうかっていうことであなた自身が悩むよりも、とりあえず目の前にあるものを使って、何かを始めてみるっていうのがこのカードのメッセージなんですよ」これを伝えます。

皆さん、考えてみてください。人生の中でうまくいくかどうかっていう未来の結果を気にしてやるよりも、未来の結果を気にせずに何かを始めてみるってことが、人生の中で大事なことってありませんか?皆さんもあると思うけど、僕も過去の人生をふり返ったときに、そうすることで開けてきたものっていっぱいあるはずなんですよ。僕はあります、いっぱい。

通常の講座だったら、ここでいろんな例を出すかもしれないけど、今日は時間が短いので出さないから、皆さん勝手に想像してみてください。どうなるかわからないけど始めてみたこと、それがいろんなことがあって、今の自分を作ってるってことありませんか?

こうやって皆さんの前でタロットの話をしています。占いの話をしています。でもね、こういう風な自分になろうと思って最初、タロットの本を読み始めたんじゃないんですよ。こうなるなんて予想もしてなかったんですよ。

でもタロットの本に出会いました。そしてその後いろんなことがあって、今に至るわけです。省略するけど。今思うのは、待っててもダメだったし、うまくいくかいかないかなんて思ってもダメだったし、始めてみたことだったんですよ。違いますか?

結果を気にするっていうことに傾きすぎています。だから「占いとは」の前提に、占い師というのは「未来はこうなります」っていう未来を予言するものだという思い込み、まずこれを捨てないとカードは読めないんですよ。カードのメッセージを受け止められないんです。

これはかなり、占いをやってる人たちから反感を買うかもしれないのを覚悟しています。でも今日は、反感を買ってでも、僕がタロットの面白さに気づいたことを伝えるのが一つの目的となっているので、そのためにはこれを言わなきゃいけないんですよ。

未来を予言するツールだとして占いを受けとめ、タロットを受け止めていたとしたら、僕はとっくに辞めてるしっていうかもう、タロットを始めた時点で興味なくしてると思います。

それはね、人によっていろいろな性格があると思うけど、僕のもともとの性格って、未来が決まっているていうのが好きじゃないタイプなんですよ。未来は、自分がどうするかで多少変えていけるだろうということを信じてるタイプなんです。これは人によって性格いろいろだからね。

僕はそういうタイプだったんですよ。だから未来は決まっていて、それを予言するのがタロット占い、「あんたは仕事やってもうまくいかないよ」とか、「どんなに頑張ったってあんたは社長の器じゃないよ」とか、そういう占いだったら、まったく関心を持てなかったんですよ。

じゃあ僕がタロット占いの面白さに気づき始めたきっかけは、タロットって、占いでそう言われてる常識とは違うんだということを、イギリスやアメリカの、僕が当時読んだ1980年代のレイチェル・ポラックさんとか、さまざまなタロットの本の人から学んだからなんです。なんだ、未来を予言するものじゃないんだ!ということです。

だいたい、ほんとのこというと、プロの占い師さんだろうが霊能者だろうが、ふだんの生活で未来が決まってるなんて思わず生きてるんですよ。未来が決まってるんだったら、今どうするかなんて悩む必要ないじゃないですか。これ前回も言ったけど、わかります?

今日何食べようかなんて悩まないじゃないですか。今日これ食べると太るから糖分を減らしておこうなんて思わないでしょ。糖質ダイエットしようと思わないでしょ。なぜ糖質ダイエットするの?女性が多いからなんかダイエットの話してるけど。糖質ダイエットするかどうかで未来の体重が変わるからでしょう?

若い人向けにいうと、未来の体重が変わると今年の夏水着を着るかどうかも決まるからでしょう。で、水着を着るか着ないかで彼氏ができるかできないかも変わるかもしれないでしょう、ばかげた話だけど。わかりますか?

っていうふうに思って生きてるじゃないですか?なのに、占いをやると急にこのモードに入っちゃうんですよ「未来」「予言」

そうすると、僕はこのカードが出たら「始めてみなさいよ」っていうメッセージを伝えるべきだと思うのに、みんなはこのカードがでたら「うまくいくカードなのかな、いかないカードなのかな」で「うまくいくかいかないか、解釈できないんですよ」って言って、講座に質問にくるんです。

僕がタロットの講座をやって、長年受ける質問のベスト1が「このカードがこういう質問のときに出たら解釈できないんですけど、どう解釈したらいいですか?」というものなんです。そのとき必ずぶち当たってるのがこういう「占いとは」の思い込みが前提となっているんですよ。

もう一つ思い込みを言いますよ。未来の予言だけじゃなくて、占いに行くと、AかBか人生の道を決めてもらえるってやつです。これもみんな思い込んでません?

占いやる側も、ついつい質問者が「AかB、どっちですか?」ときいたら、占い師も2者選択なんかをやって「あなたはAにいきなさい」とか「Bにいきなさい」とか、決めてあげようとします。

でもちょっと思い出してください。前回のこの「正義」のカード、どういうメッセージでした?今日もやったけど。これは、あなた自身が、質問者自身がですよ、質問者自身へのメッセージですからね、天秤にのせて正しい答えを出さなきゃだめだと言ってるんですよ。

いいですか。私たちは、人に決めてもらうことが必ずしもいいとは限らないということを知っていませんか?人に決めてもらうよりも、自分自身で納得して決めてそれを選ぶ、選び取って自分がそこに向かっていくからこそ、後悔しない人生を送れるんじゃないですか?

考えてみてください。占い師さんにAだよと言われます、占い師さんにAと言われたからAにいったとします。するとこうなるんですよ、多くの人は、Aにいってちょっとした困難にぶつかったら「やっぱりこれ、Aって言われたけど、これでうまくいくのかな?私A向いてないんじゃないかな」って考え始めるんですよ。違いますか?

それで、ちょっとした困難で「向いてないんじゃないかな、大丈夫かな」と思って、しばらくして別の占い師さんのとこ行って「今Aということを始めたんですけど、壁にぶち当たっているんですけど、このまま続けてうまくいくんですか?いかないんですか?」って聞きに行くんですよ。

そして次、その占い師さんが「あんたなんでそんなのやったの、やめなさい。あんたは結婚しかないから」とか言われて、「あぁ、結婚かぁ」と婚活行くんですよ。で、婚活行って壁にぶち当たって「彼氏できるのかな、結婚相手見つかるのかな」とまた占い師さんとこ行って「今、婚活行ってるんですけど、結婚相手見つかりますか?」とか聴いちゃう。こうやってずーっと占いしながら生きてくわけでしょ。ぶれぶれなんですよ。

これもしね、AかBかということを「正義」のメッセージを受け止めて、本人自身が天秤に乗せた結果、同じAを選んだとしたらどうですか?壁にぶち当たったとしても、大丈夫かなと思ったけど、でもあのとき、AかBかでAしかないっていうことは自分で分かっていたら、ちょっとした困難でももうちょっとやってみようかなと思いませんか?そうしたら、私たちはそのAの道を選ぶことで、もしかしたら形になる可能性があるんですよ。

それをその大事な、なにが大事か分かります?選択するときに、いかに選ぶかが大事かっていうこと、これを忘れてしまうんですよ、占いをやるときに。ただ決めればいいと思ってるんですよ。

こういったことにタロットが気づかせてくれ始めたときに、僕はおもしろくなりました。だからタロットを学ぶことによって、前回、学ぶということで同時に自分の生き方も少し変わったんですよとも言いました。

そうです、こういう風に学んでいくと、自分の人生をその都度振り返ることになって、僕もいい加減に決めてたのを「正義」のカードのメッセージを受け取ったときは「ちょっと今回はじっくり考えてみよう」と思うし。

やってないカードでいきますよ、「司祭」のカードが出たら「考えて決めるよりも、自分の良心に問いたずねてみよう」と思うし、「女帝」のカードが出たら「自分の思いが形になってくるまで少し待ってみよう」と思うし、分かります?

自分自身の元々の性格や考え方とは違う人生のアプローチを、タロットからその都度その都度、受け取ることができるようになります。これがタロットのおもしろさだと思います。いかがでしょうか。

早口でわーっと言ってるから、ついてこれてるかどうか、わからないかもしれないけど、全部理解できなかったとしても、言いたいことのニュアンス分かりますか?

これは、まったくもってタロットの世界が変わると思うんですよ。このアプローチをしたら。ですが、20年間これを言い続けていて、この僕のやり方を受けとってプロになってる方ももちろんいますが、なんつったって僕は地味にしか講座やってないから、そんなに広がっていません。圧倒的多数はこういった形でのタロット占いではなくて、やはり未来を決めてあげるとか、選択肢を選んであげるとか、そういうアプローチになってしまっているんだと思います。

だけど、前々回に言ったように、タロットの無料講座をやる目的は、通常ね、思い切って僕の講座に来た人には伝わるけど、でもそれだけだとやっぱり人数が増えない。でもこういう無料講座だったら「なんかこいつの言うこと一回くらい聴いてやろうか」みたいな人もいると思うんですよ、そういう態度で聴いてくださってる方でも、今、一生懸命耳を傾けてくださったならば「こいつ嫌いだったけど、言ってることに一理あるよな」くらいでも感じていただれば、前より広がっていくと思うんですよ。

ということで、今日はこの3枚のカードの絵を見ていきますけど、「うまくいきますか?」って言われたら、

「戦車」のカードはうまくいくなんていってないんですよ。「うまくいくかどうかわからなくても英雄になれ」と言ってるんです。「自分のカラを飛び出して戦って奪ってこい」と言ってるんですよ。

「愚者」のカードは結果を気にしてる人ですか?違いますよ。ふらっと旅に行くんですよ。「とりあえず出かけてみたら?」って言ってるわけです。

「太陽」のカードはいかがですか?絵を見てください。子供が馬にのってますね。「仕事がうまくいきますか?」ていったら、うまくいくかどうか考えている子どもですか?どこに向かっていくかわからないけど、ほら、馬の手綱を握ってないんですよ、どこに向かっていくかわからないけど、どういう状況であっても歓迎する意がこの子供の姿から見えませんか?どんな状況でも受け止めていく、わかりますか?これがタロットの太陽のイメージです。

星のカードだったらどうですか?うまくいくかいかないかといったら、うまくいく、いかないなんて告げてますか?裸になって、この人はすべてを脱ぎ去っています。手に持ってるものを水に流してます。いいですか。持ってるものを手放していくっていうメッセージなんです。

ちょっとはじめての方は、絵のイメージをすぐ掴みきれなかったかもしれないけど、僕が言いたい核心は、質問に対して合わせて答えるんではなくて、質問者の質問の前提となっている、その世界観の背後に回るんですよ。言ってみたら。

私達は何か悩んでいるというのは、必ずその悩みを作り出している前提があるんです。その前提をこれに置き換えてみたら、その悩みが消えるんですよ。わかりますか?

AかBか決めなきゃいけないって言ってる人に、この「隠者」のカードが出たら、

これ決める人ですか?決めないでいいって言ってるんですよ。しばらくそのAかBかということを決めずに、どちらかを選択するんではなくて、自分が何をしたいか考えるのに大事な時間じゃないかって言ってるんですよ。そうするとこうなりませんか?今すぐに決める必要ないんです。

こうやってタロットというのは、私たちの思い込みを一つ一つ見直していくプロセスなんですよ。これがタロット・リーディングの面白いところだと思っています。伝わったかな。

チャットで何か書いていただいていいですよ。全部拾えるかどうかわかんないけど。

「未来は自分で導く可能性ですね。大まかな流れはあると思います」
その感じでいいと思いますよ。

「相談者さんのためにもなりますよね」
相談者自身が自分で主体的に人生を生きていくっていうことを僕は大事だと思ってるんですよ。占い師さんに言われてすべて決めるんではなくて。そういう意味で、主体的な生き方をもう一度取り戻していくということにおいては、相談者のためになるんじゃないかと思います。

やっぱりあの、なんだろうね、やっぱり占い師になると教える、なんかこう導く側と導かれる側みたいなのが、なんか上下関係みたいなのができてくると、占い師がプチ教祖みたいになってくるんですよ。「あんたあれしなさい」「これしなさい」とか。たしかにプチ教祖みたいなのになると、むちゃくちゃリピーター作れるので、商売上は人気占い師になります、絶対に。

だってプチ教祖になると、質問者に「もう何も考えずに私に聞きに来なさい」ってことになるから。「あんたが考えてそんな愚かな選択肢、また失敗するでしょう。あんたはそうじゃないのよ、こうこうこれがいいのよ」っていうことが、言って言われる関係が出来上がっちゃうとどうなりますか?

もう毎回聞きに行くことになる。そうするとリピーターが続出です。一見人気占い師になってるように見えるし、実際なってるんだけど、でもそれ、相談者のためになってますかね?いかがでしょうか。

これが僕が占い界に入って感じていた、違和感があったとこなんですよ。それをひっくり返す視点をタロットに与えてもらった、色々イギリスやアメリカのタロット本から勉強して与えてもらった、それを伝えようと思って、最初はさっさとやめようと思ってたけど、20年間やってしまって、ついには無料講座までやるようになってしまって、ということです。はい。

皆さん、コメントありがとうございます。これコメント読みあげてると、前に別の講座で話したけど、昔の1970年代ぐらいのラジオのDJやってる気分になります。なになにさんからお便りですって読みあげてる気分になります。

大体予定通りの30分ぐらいになりました。なんか皆さんあります?今日はこんなとこかな。

明日はタロットとカバラの関係みたいなのを話そうと思ってます。なのでまぁ専門的な内容ですけれども、多分カバラとか生命の木っていうのって、なんだかわからないっていう人は「読んでみたけど全然わかんない」とか「講座とか色々チャレンジしてみたけど、私ちょっと無理かな」と思った人も参加してみてください。なんか案外いけるかもと思うと思います。

最後に自画自賛をすると、教えるのうまいんですよ、たぶん。いや、うまいと皆さん、思ったかどうかわかんないけど、教えるのうまいというのはちょっと言いすぎかもしれないけど、あいまいにしたくないんですよ。

難しいこと言って「俺ってすごいでしょう、こんなに知識あるんだよ」っていうふうに思われたくないんですよ。どんな難しい概念であっても、気持ちとして、現実そうなってるかは別として、来てる人全員にわかってもらいたいと思って、いつも喋ってるんですよ。これは本当に。なので、カバラもそうやってやるので、今まで挫折したみたいな人も、ちょっとチャレンジしてみるといいかもしれない。

ということで、こんなとこかな。はい、じゃ皆さん、まぁ今日はこんなとこにします。


前回もそうだけど、ここでじゃ皆さんさよならっていうと、この人ってなんかそっけないなと思われるから、ここから数分間雑談します。もう本編終わり。雑談です。時間がない方は退出してください。

質問「それは日本だけの空気感ですか?先生が以前日本はタロット後進国っておっしゃっていました」
日本だけの空気感?そんなこともないんですよ。イギリスやアメリカでもちゃんと僕と似たような感じでタロットやってる人もいるけど、やっぱり圧倒的多数の占いの現場だと、脅して予言するとかも結構いますのでね。必ずしもそうとは言えないですね。

全部読み上げられないけど、皆さん本当にありがとうございます。メッセージいただけると、やってよかったなと思いますよ。

質問「小アルカナも同じように読みますか?」
そうですね。ウェイト=スミス・タロットの場合だったら、小アルカナも同じようにやれます。マルセイユ・タロットの場合も視点の取り方は一緒ですけど、絵が抽象的なデザインなので、ちょっと違ってきますけどね。

「ルノルマンカードの講座をしてほしいです」
無料ではないけど、ほかのところで、ものすごい低料金で今度やります。

質問「今のを聴いたら、複雑なスプレッドで展開するよりも、シンプルに1枚引く方が答えって正確なんですか?」
究極を言うとそうなんですよ。ただ占いの現場で一枚だけ引いて、質問者に「ありがとうございました」てすがすがしく言ってもらうのは、相当占い師の力量がいると思うんですよ。カードがいっぱいあるほうがゴージャスに感じるので。やってもらった感があるので。僕がおすすめしてるスプレッドがあるんですよ。本講座で話してます。大アルカナを中心に周りに小アルカナをおいていくやり方で、大アルカナをあまり出さないやり方なんです。なのでそのポイントは正しいです。あ、今日逆位置の話をするの忘れたな。

(このあと先生の本棚にある音楽の本と海外ドラマの話など)

最後なんかどうでもいい話になったけど、僕なんかたまたまロックンロールを中心としたポピュラーミュージックが元々好きな世代なんだけど、タロットってこっちにつながったんですよ。この怪しげなイメージていうか、例えば当時のこのジャンルのミュージシャンって、結構アレイスター・クロウリーが好きだったりとか、トート・タロットのね、オカルトと親近性があったんですよね。タロットとアートの世界がね。

最近そういうつながりって、イメージなくなってますよね。ダークなものよりも、なんか日本特有の現象かもしれないけどたぶん、タロットかわいいみたいな。だから前も言ったけど男の人が入りづらいですよね、そういう意味ではね。僕も時々感じるけど。

最後にあれ見せようかな。実は今度タロットのスプレッドの変遷みたいな講座、本を見せながらやる講座で見せようと思っていた、秘蔵のものを見せます。名古屋と大阪の人には見せたことがあります。1960年代のカウンターカルチャーの頃に出ていた昔の定期刊行物なんですよ。オズマガジンっていう少部数で出ていたものなんですよ。

ここの中に素晴らしいタロットの絵が出てるんですよ。貴重なんですよ。なかなか手に入らないんですよ。見えますかね?無茶苦茶なサイケデリックな絵なんですよ。ていねいに扱わないと破れそうで怖いわ。

このタロットを描いているマーティン・シャープという画家。サイケデリックな画家として有名。昔エリック・クラプトンがいたバンド、クリームのレコードジャケットとか、あとジミヘンとかのポスターとか描いてるんです。この絵の実物がタロットになったらほしいな。で、カードによっては…長くなるからやめよう。そういうことで、これも通常のリアル講座ではできないね。家ならでは、ですね。

今日はこんなとこかな。雑談も楽しいですね。皆さんありがとうございました。
明日もよろしくお願いします。

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