「これからタロットを学び始める人のために」講座の文字起こししたもの

(チャットでの質問は一部カットあり。このBlogのコピペはご遠慮ください)

今回、無料でやろうかなと思ったのは、いくつかの理由があります。

僕もタロットの講座をやっているので、僕のことを知らない人にも知ってもらうというのも一つの目的です。当たり前よね。で、なんか面白かったら講座に来てくれるかなというのもひとつです。

でもね、それだけでじゃないんですよ。それだけだったら別に通常の有料の講座でも良かったんだけど、最近、歳も歳で思うことがあるんですよ。

何かって言うと、タロットって日本で1970年代半ばくらいから広まっていったんです。僕自体はそのころ全然タロットなんて知らずに育ってました。さきほど雑談でエルフィンという雑誌の話が出てましたが、僕はエルフィンにもふれたことがなかったんです。僕がタロットをやり始めようと思ったのは1990年代の終わりくらいなんですけど、もう結構いい年になってます。

僕がタロットやり始めようと思った時に、そのときタロットをやっている世代の方がいらして、つまり第1世代の方がまだご存命でいらっしゃるわけで、あんまり昔はそんな事考えたことなかったんだけど、もうタロットも飽きたし、やめようかなって思ったこともしょっちゅうあったけど、でも最近ちょっと思ったのは、何だろう、自分がタロットで学ぶことが多かったから、実際に今日明日と話すけど、人生の中で学ぶことが多かったんですよ。

なので僕が学ぶことが多かったタロットをこのあと話します。

大袈裟に言うと、先輩たちがいたから僕が受け取ったわけじゃないですか。僕ももう歳も歳だから、今後皆さんに伝えていく側に立った方がいいなと思って、なんていうかな、タロット好きな人を、タロット好きになって、タロットから何か得るものがあるっていう人を、ちょっと増やしていけたらいいなというのも、もうひとつの理由なんです。

なのでいくつかの理由、まず自分の講座に来てほしいっていうのはもちろんですけど、もうひとつはそうやってタロット好きの人が増えてほしいというのが理由。

だから、この講座を受けたからといって、絶対僕の講座に来いというつもりはないです。もちろん来てもらったほうがいいですよ、でも好き嫌いがあるから、なんか話のテンポとか口調があんまり好きじゃないって人もいると思うんです。なのでその場合は、別に他の講座に行ってもいいと思うんですよ。

何を言いたいかと言うと、これをきっかけにして僕の講座にきてもいいし、僕以外の講座でもいいし、みんないろいろ講座に行ったりとか、本を読んだりとか、独学したりして、タロット好きを広めていきたいのがポイントなんです。

なので今日は本当の基礎の基礎をやります。くわしい方には退屈な話だと思いますけど、広めていくのが目的なので、全然知らない人向けに話します。退屈だと思われる方もいるかもしれません。

早速本題に入りますけど、タロットの枚数、そんなことは知ってるって方もけっこういると思うんですけど、一応このレベルからいきます。

今日講座をやるにあたってどうしようかなぁって、いつもなら何にも話すこと考えないんだけど、今日も考えたわけではないんだけど、ただ一点、これは絶対忘れないようにしようと思ったことがあるんですよ。それは自分がタロットを始めたとき、どういう感覚だったかということ。

自分が始めたときに、タロットが全くわからなかったときに、タロットの絵を見て新鮮でワクワクした感覚があるんですよ。あの感覚をちょっと思い出しながら今日はやろうと思ってるんですよ。

その前提となる基本の枚数。ひとセット78枚あります。それで大アルカナとよばれるカードが22枚、小アルカナと呼ばれるカードが56枚、合わせて78枚です。

通常の時間がある講座だったらアルカナっていう言葉の意味は何みたいなことも話しますけど、初心者の人は別に言葉の意味は分からなくてもいいです。

78枚のうち大アルカナと呼ばれるカードと小アルカナと呼ばれるカードに分けられるということです。イメージでいうとこんな感じです。

こっちが大アルカナ、こっちは小アルカナ、これくらいあります。アルカナの言葉の意味はいいけど、この大、小という日本語に訳してるこの言葉ね、これについて一つだけ言っときます。大は英語だとメジャー、小はマイナーと書かれてます。つまり、メジャー、マイナーなんです。

メジャー、マイナーの意味を皆さんで辞書をひいてみてわかると思うけど、メジャーは重要なっていう意味ですよね。マイナーは二次的なっていう意味なので、この呼び方からもわかるように、元の英語の読み方は、重要なアルカナと二次的なアルカナ、つまり重要なカードと付加的なカードという意味合いです。いかがでしょうか?

実際に皆さん、占いに使うことを目的とされているタロット好きの方も多いと思うんですけど、占いに使うなら大アルカナだけで十分に占いは成り立ちます。

ただ小アルカナも勉強した方が、占い方のバリエーションは増えます。なのでどちらも勉強する方がいいけど、でも「別に私はそこまでタロット占いのバリエーションを増やさなくて、ちょっと占えればいい」って人は、大アルカナだけ勉強すればいいと思います。

実際に勉強してて、より面白いのは大アルカナです。重要な方です。小アルカナはおまけのほうです。

占い方ですが、いわゆるこういう言葉、聞いたことあります?スプレッドって言葉です。カードを並べる。こういう海外の占いって英語のカタカナ表記がそのまま使われることが多いんですね。スプレッドって、広げるってことじゃないですか。

広げて、ある一定の位置にレイアウトしていくっていうやり方なんですよ。たぶん今日参加されている方はイメージは湧くと思うんですよ。

まず占う時って、簡単に言うとカードをシャッフルします。つまり混ぜるんです。混ぜるのはどうしてかっていうと、タロットの基本原理は、混ぜて、たまたま出たカードが、偶然て意味ね、質問へのメッセージになるということを原理にしている占いなので、混ぜます。人工的にたまたま偶然性をここに導入するっていうようなニュアンスです。

偶然にこうシャッフルしたあと、このカードを並べてくんです。テーブルの上に、その並べ方っていうのが色々あります。その並べ方のことをよくスプレッドとかレイアウトっていう形をします。

それについては、ちょっと気が向いたらですけど無料でやるかもしれません。気が向いたらやろうかなと思ってます。

今日ほら無料だから、皆さんも気を使って、終わった後Blogとかなんだ、あのtwitterとかで、めっちゃおもしろかった!とか書いてください。そしたらこの話を小耳にはさむと僕が「またやろう」と思うじゃないですか。

今日つまらなかったと思った人は沈黙しておいてください。つまんなかったとなるともうすんごい落ち込むじゃないですか。こっちは愛を持って無料でやってるのにね、嘘だけど。

面白かった人はガンガンに宣伝してください。見てくれる人が多いと思ったら、無料でもやる気になるじゃないですか。これはごく一般的な人間の心情だと思いますので。うなずいたりして反応してくれるとありがたいですね。

具体的なスプレッドのやり方はシャッフルして、いいなと思うまで混ぜたら、一定の手続きでカードを置いていきます。そして出たカードが、もう一度言いますけど、質問への、自分へのメッセージです。これがタロット占いの基本的なやり方です。

で、スプレッドについては今度やりますが、タロットはいろんな種類があるんですよ。どんなカードを使ったらいいか、どれくらい種類があるかという一端をお見せしますか。

実際のカードを並べるより、これを見せたほうがいいと思います。今、自宅からやってるんですよ。あ、ちなみにこの前、書棚、バーチャル背景だと思ってた人がいるんですけど、これね、バーチャル背景じゃなくて実際の書棚なんですよ。本がいっぱいあります。

これ、タロットの本ですが、タイトルがthe encyclopedia of Tarot、日本語訳するとタロット百科事典です。中を開くと、こういう風にどのページを見てもまるっと全部カードの紹介なんですよ。

ちなみにボリューム4て書いてあるんですよ、4巻目です。

つまりこの前に3冊こんなのが出てるんですよ。とてつもないタロットの量があるんですよ。家でやると見せながらできるからいいね。

こちらは、イタリアのカードの有名なカードメーカーのロスカラベオっていうカードメーカーが出してる、自分ところのメーカーで作ってるカードのカタログなんですよ。フルカラーなんですよ。こんなのもあります。

むちゃくちゃでかい本です。このスカラベオ社が数年前に出したのだけでも結構な数のカードがあります。めちゃくちゃすごいいっぱいあるんですよ

この中でじゃあ何を使ったらいいのか。

はっきり言ってしまうと、好きなカードを使えばいいって投げてしまうこともできるんだけど、スピっちゃってる感じの言い方でいうと、自分のインスピレーションを受けたカードでもいいんだけど、個人的なこと、それから長年のタロットやってる経験で言うと、ふたつのタロットをおすすめします。

最初に学ぶタロットね。このふたつです。
マルセイユタロット、ウェイトスミスタロット、この二つです。

このウェイト=スミスタロットというのは、ウェイト版と一般的に呼ばれている、ないしはライダー版と日本で呼ばれているタロットです。

今日詳しい歴史の話はまったくする気がないので、さくっというと、マルセイユはちょっと古いカードです。マルセイユってフランスの町の名前じゃないですか。マルセイユ版は、17世紀半ばから18世紀初めにもともとフランスで使われていたタロットなんですよ。

マルセイユ・タロットは、現在は、当時のカードじゃなくて、当時のものをリプリントしたものが一般的に売られています。

もう一つはウェイト=スミス・タロットと呼ばれているタロットです。こちらは20世紀のはじめ、1909年にイギリスのロンドンで出版されたタロットです。この二つのタロットのどちらかをお勧めします。

ちなみにどんなタロットかは、あとで初めての人に絵をちょっと見せます。でもこの二つの名前を覚えておいていいと思います。

ウェイト=スミスは、ウェイト版、ライダー版と呼んだりしているので、人と話すときは、そっちのほうが通じるかもしれない。今日はある理由からウェイト=スミスタロットという長い名称で呼んでおきます。

なぜこの二種類をおすすめするのか?

さっき見せたさまざまなタロットがあるじゃないですか?そのデザインって、1からオリジナルで考えられたのではなくて、このマルセイユタロットか、ウェイトスミスタロットの、どちらかの絵をもとにして描かれてるんですよ。ないしはミックスです。

つまり、何百種類とある無数のタロットの基本の絵の元型となってるんですよ。だからこの二つのどちらかを学んだ後に、新しいなんか自分の見つけた絵の綺麗なタロットを勉強したいと思った時に、これをベースに新しいタロットに入っていくことができるんですよね。なのでこの2つがおすすめ。

「じゃあこっちの二つ、どっちやったらいいの?」っていうのは皆さん勝手にやれってところなんだけど、僕の助言をするなら、マルセイユの方が簡単です。

ウェイト=スミスタロットのほうがちょっと難しい、というかだいぶ難しいんです。マジでやるなら。これ言っても、一般的な日本のタロット教室って、マルセイユよりもウェイト=スミスを初心者向きで使ってるとこが多いんですよ。

マルセイユの方が簡単で、ウェイト=スミスのがちょっと難しいって言ったのは、タロットの歴史は今日お話しませんけど、一言だけ、別に覚えなくてもいいですよ。忘れてしまってもいい。

19世紀なかばくらいから、タロットにカバラという思想が組み込まれってたんですよ。マルセイユ版はさっき言ったように、18世紀初めくらいまでのカードなんです。マルセイユのカードは、カバラの思想が盛り込まれていないので、絵がシンプルなんですよ。

皆さんカバラという思想を知らない方は、何かわかんないくてもいいんです。今日は言葉だけインプットしておけばいいんです。

ウェイト=スミスタロットは、カバラという思想が盛り込まれたカードなので、マルセイユよりもデザインが複雑なんですよ。ウェイト=スミスのほうが。だから難しい。

そして時々講座でやってるんですけど、生命の木っていう図があるんですよ。その図を学んでから、このカードを学ぶと、とても深い意味が分かるんです。

だからおそらくね、間違いなく、タロットの入門として「ウェイト=スミスのカード使って一日でタロットを学べます」みたいな教室があったとしたら、ちなみに言っときますよ、そういう教室が悪いんじゃないですよ、行ってもいいと思いますよ、ただ一日では、ウェイト=スミスタロットの、カバラを元にした本来の意味はとうてい学べないんですよ。教えてる先生がダメというんじゃなくて、時間的に無理なんですよ。

さくっと日常の事をすぐ占いたいんだったら、マルセイユの方がスタンダードなタロットということで、僕個人的にはマルセイユがおすすめです。

ただ絵の好き嫌いがあるので、やっぱりウェイト=スミスが好きという方もあると思います。ちょっと違いをみていきましょうか。

例えば「愚者」と呼ばれているカードがあります。

タロットにはすべて基本的にこれ、大アルカナ22枚のカードは上に数字があって、下にタイトルが英語でついてます。ないしはフランス語、ドイツ語、各国のタイトルが載ってます。

不思議なことに、日本のカードだったら日本語でのせるべきなのに、日本語になってない。わかる、ここに漢字で「愚者」と書いてあるとイマイチ。外国の文字に対するあこがれってあるから。

ウェイト=スミスはカバラの影響を受けたカード、受けない前のマルセイユはこうです。ちょっとふたつ見てください。

右が古いカード、左がカバラの影響受けたカード、何が違うかぱっと見よく分からないし、ウェイト=スミスのがとりわけ複雑じゃないと思うかもしれないけど、よく見たらウェイト=スミスには上の方に白い太陽がありません?白い太陽だけじゃなくて崖の上みたいなところに立ってません?断崖のところに立ってません?

通常のカジュアルなタロット占い本だと、別にこれについて詳しい解説はなく、ただ「断崖のところに向かってるのでちょっと危険だけれども、冒険に出ようとする若者」みたいなさらっとした説明になってるんだけど、本当は、白い太陽も、この断崖の上にいるっていうことも、すべてカバラの思想を表現するために描かれたものなんですよ。

生命の木の一番上のケテルという場所を示唆する、ケテルの領域に近いということを示唆するものなんです。何の話かわからないかもしれないけど、皆さんここだけ、「なんかウェイト=スミスの絵ってカバラと呼ばれる思想が入っていて、通常カジュアルに説明されてるところも、実は深い意味があるらしい」と思っていただきたい。

今日いいたかったのは、カバラの思想がどれだけ含まれているかということではなくて、マルセイユのが簡単だということ。なのでどちらでもいいです。

僕が講座をやる場合、ウェイト版をやるときは、案内文にウェイト版と書いています。案内文に特に断りがないのは、だいたいマルセイユ版を説明することが多いです。

僕もう20年以上タロット教えてるんですけど、さすがに20年ぐらい教えていると、講座を聞いてくださってプロになってる人がけっこうな数いるんですよ。だいたいそういう方のパターンて、どっちも勉強する方が多いんだけど、本当にゼロから学ぶ方は、どちらかというとマルセイユを先に聞いて、その後でステップアップでウェイト=スミスを聴くっていうパターンの人の方が多いかもしれません。

片方だけやって十分プロになれるんですよ、別に。なろうと思えば。プロになろうなんて思ってない人も多いかも知れないけど、初めてでもプロになりたいと思って聞いてる人もいると思うので、今日はこのあともう少し説明します。

今日は20〜30分ぐらいで終わらすつもりだけど、もう20分経っちゃったじゃん、みたいなね。ここで終わったらさすがにつまんなかったと言われそうなので、もうちょっとだけ続けますね。

質問「マルセイユを選ぶなら、ウェイト版より簡単以外に選ぶ理由ありますか」うーん選ぶ理由ね、特にないかな。

昔のカードの方がユーモアがありますね。選ぶ理由にはならないけど、なんかね、シニカルです、マルセイユの方が。昔のカードって当時のフランスで作られたんですが、ある種の風刺画になってるんですよ。世相を風刺するみたいな。カードのメッセージの寓意を学んでいくと、くすっとするような、はっと思うようなのがあるんですよ。

ウェイト=スミスのがより真面目なメッセージかな。選ぶ理由にはならんけどね。

占い上のメッセージとして若干ちがうところもあるけど、基本は、細かい点を目をつぶれば似ているところが多いので、マルセイユから学んで、ウェイト=スミスに入っていくのは、そんなに難しくありません。

今のポイントは、何のカードを選べばいいかということで、この2つ、どちらかというとマルセイユのが簡単という話をしただけです。

あと、どこで学べばいいのかとよく聞かれます。

さっき言ったけど、いちばんいいのは僕の講座に来るのに決まってるじゃん。こうやってやってるわけだから。

でも話にも好みもあるし、zoomよりもリアルで先生のところに行って聴いたほうがいい、あるいはマンツーマンで習いたいとか。どこに行こうが、最初の基礎として知っておいたほうがいいっていうことを、今回目的としてるので、別にどこ行っていただいても構わないんです。

ただ、ここがいいとか悪いとかっていう基準っていうのは特にないんだけど、そうね、これも僕の個人的な話になるけど、なんだろう、例えがなんか微妙だけど、美容液ってなんか高い値段の方が効果ありそうに思って、高いほうを買っちゃうことってない?美容液じゃないけど、僕もなんかわかんないから高いほうが良いと思って買ったことあるな。

その基準は、あまり占い教室とかスピリチュアルなものとか、そういうもののセミナーには当てはめないほうがいいかもしれない。愛という名のもとに、背後に邪悪な人っているから。高い値段で儲けようとしてる人いるから。

当然ね、占いを仕事にして、商売として生活をしてる人も多いと思うので、別に稼ぐことには問題ないんですよ。お金をとって教えるのは問題ないんですよ。僕だってそうしてるから。だけど限度ってあるじゃないですか。

だから僕の個人的な助言ですけど、あまり高額なものはやめといたほうがいいんじゃないかなぁ、なんて。そこぐらいかな、どこで学んだらいいかは。

東京で受けられてる方だったら結構ね、東京の占いスクールけっこういっぱいあると思うし、地方は少ないかもしれないけどね。なのでよくよく吟味して、もし一回の体験みたいのがあったら体験とか受けてみて、それで合う合わないで判断した方がいいかもしれませんね。いきなりまとめて払うよりね、わからんけどね。

あとタロットスクールとか行きたい人でよく、タロットの資格が欲しいからって人もいるんだけど、確かに、資格っていうものがあった方が、なんか自分の性格的に安心できるというのもあるじゃないですか。

ただ最初に一つ言っておくと、公式のタロットの資格なんていうのは、そもそも存在しないんですよ。たとえば国認定みたいな、弁護士の資格みたいなのは存在しないんですよ。

一つ一つの団体が独自に作ってる資格はあるけど、それをとったら普遍的にどこでも就職できるような資格はない、各自が勝手に出しているローカルな資格しかない。まず初めての人は知っておいたほうがいいかもしれません。

だからといって、その資格がダメだと言ってるわけじゃありません。資格を与えてくれるスクールだったら、それなりのカリキュラムを用意してるかもしれないので、そういうところで資格をとってみるのもいいかもしれません。

ただ、資格も個人的な感覚かもしれません。僕と似たような性格だったら、なんか占いなんて怪しい、タロット占いなんてちょっと怪しいのがいいんだから。個人的な感想ね。

資格ということで言うと、僕なんか占いを社会的に認められるものにする野望ってなくて、この講座の目的はタロットファンを増やすことで、別に社会的地位をあげようという願望はないんですよ。

僕が最初にタロットを何か面白そうだなあと思ったときって、怪しいから好きになったんですよ。僕の世代って洋楽聴いてた世代なんですよ。子どもの頃に聴いてたロックミュージシャンが「アレイスター・クロウリーを尊敬する」と言ってて、クロウリーって誰かというと、トート・タロットていう有名なタロットを作ってる人なんですよ。むちゃくちゃ怪しいんですよ。その怪しさがかっこいいと思って。

僕が占いをやり始めた頃に、実際に知りあった占い師は、今なんかよりぜんぜん違う怪しい人ばっかり。今は健全な人増えたけど、昔は、幸月シモンさんって僕の師匠の一人なんですが、もう社会人として終わってる人ですもん。disってるわけじゃないですよ、愛を持って言ってるわけですからね、今でも仲いいわけですから。

そんな人でも占い師やれるんだと思って、そんな世界だから自分でもやれるんじゃないか、なんかこう自由になりたいんですよ。社会の枠に縛られないで。

よくタロットって、ジプシーが伝えてたみたいなイメージあるじゃないですか。あれは神話で、ほんとはジプシーが伝えてたわけじゃないんですよ。でもこの神話には、ある種のリアリティを感じるんですよ。定住せずに自由にあちらこちら行くというジプシーがタロットを伝えてきたっていうのは、何と言うか僕のスピリットにふっとくるんですよ。その生き方が自分のアイデンティティみたいなものに重なり合うものがあります。

現に、先ほど見せた「愚者」のカードって、まさにそうなんですよ。社会に一切属さない、階級に属さないふらふらしている人のイメージなんですよ。これが僕のタロットを学んでみようと思った、タロットの旅に出ようと思った衝動、元型的なアーキタイプを表しています。

この感覚にマッチする方だったら、資格にこだわる必要ないかもしれない。でも資格をとるのがダメだと言ってるわけじゃない。とってもいいんですよ。でも必ずしも資格にこだわる必要ないということです。

別の講座のときだったら、僕の持っている珍しいコレクション見せてもいいんだけど、今そんなことやってたら、時間がなくなるから、あと数分だけやります。

最後どうしようかな。皆さんが何を聴きたいかわからないけど、満足してくれたかどうかわからないけど、もう一つ言うと、おすすめ本は自分の本「完全マスタータロット占術大全」という本で、これは僕が書いた2冊目の本です。

一冊目は占いの本でなく歴史の本(タロット大全―歴史から図像まで)で、「完全マスタータロット占術大全」は初めて書いた占いの本です。翻訳本をまだ手掛ける前の段階です。結構分厚くて、そこそこの値段もするから、難しいのかなと思うかもしれないけど、これね、読んだことがある人に必ず言われる、僕の本の中でいちばん読みやすいと言われる、「これは読めた」っていいます。まったく初心者の人のために書いてます。

しかも自分でいいなと思う理由があるんですよ。限りなく偏りがない視点で書こうと思ったんですよ。僕がタロットの講座をやるときに、どんなに公平中立な立場に立とうと思っても、自分の考えとか自分の思いっていうのを入れるじゃないですか、多少は。たぶん他の人よりもそれは少ないかもしれないけど、僕が良いと思うことは言います。でもこの本は僕が良いと思うことは一切関係ないんですよ。

内容を見ていただくと分かるけど、僕の個人的な意見というのは、ほとんど最後のほうにちょっと出てるだけで、ほとんどがイギリスやアメリカの英語圏での人が、今どういうタロット占いをやってるかっていうことをまとめた本なんですよ。分かります?

だから、なんでこの本をおすすめするかというと、偏りなく一般的に、日本というローカルな地域にとらわれずに、イギリスやアメリカというタロットのいわば先進国に目を向けたときに、その現場の人達がどうやってやってるかを書いたものなんです。

実際にほとんどの内容がすべて「この本にこう書いてある」「この著者はこう言っています」とか、全部引用元もつけています。なのでフラットなスタンスで入れます。

この本からタロットの一般的なスタンダートなものをみて、この本をベースにして、そこから独自に自分のタロットを作っていけばいいんです。さっきも言ったように、タロットは自由にやっていんですよ。本当に正しい意味とか、正しい占いとかなんてないから。なのでこの本をまずはお勧めします。今日はコメント多くて嬉しいな。

質問「ウェイトの書いてる本の名前は?」。ウェイトの本って Key to the Tarotって本、一冊しかないんですよ。なのでウェイトの本だったらそれですね。

最後、締めの話はこうです。初心のころを忘れずに今日はやろうと思いました。僕が始めたばっかりの頃の方法の一つを最後に紹介します。

これが万人にあてはまるかはわからないけど、それはカードの絵を見るじゃないですか、絵を見るのが基本です。カードの絵を見たときに、解説書あるじゃないですか。僕の本に限らず、皆さんいろんな本を読んだほうがいいですよ、その解説書を見て、なんかカードの意味はこうだとか書いてあるじゃないですか。

僕が最初、勉強の入り口って何だったかというと、絵と意味を比較するんですよ。一般的には、書いてある意味をただ暗記しようとする人が多いみたいなんですよ。

僕がやったのは、意味を暗記するんじゃなくて、なんでこの絵なのにこういう意味があるのかなっていうことを考えたんですよ。そうするとそう書いてある意味の中に、絵に結びつく意味もあるけど、全然どう見ても絵に結びつかない意味もあるんですよ。

そうするとまずは、この絵に結びつかない意味、結びつく意味、このカードの本当のところは何を意味してるんだろうっていう疑問が、次のステップへ進ませたんですよ。なのでまずは何の学びにもならないかもしれないけど、絵に見慣れることが大事です。

ただ絵だけ見ていても何のことやらわからないので、お手持ちの本を見て、書いてある本の内容、別に100%信じちゃだめですよ、別に書いてある意味が絶対正しいなんてないわけだから。実は明日言うけど、このカードの元々の本当の意味なんてないんですよ。なぜかっていうのは明日お話します。

だけど今日伝わっている意味があるじゃないですか。その意味と見比べてみてください。それでどうしても合わない、なんでだろう?っていうところからタロットの学びが始まります。僕はそうやってやりました。

じゃあこのカードの絵ってなんだろう、そうしたら絵をじっくり見ることになるじゃないですか。明日は絵を見るっていうことが一体何なのかを話します。

最後にこれだけ見せよう。

今日見せたタロットのウェイト=スミス、みんなが好きなこのカードを描いた画家の顔を見せましょう。この人です。この女性が絵を描きました。この本は、パメラ・コールマン・スミスというこの絵を描いた人のことだけを書いた本なんですよ。タロットのことじゃなくて。

これは翻訳は残念ながら出てないんだけど、すごく楽しい本です。中を見ると、彼女はタロットだけを描いたんじゃなくて画家だから、彼女の作品集のようになってます。なので見てるだけでもとても楽しい本です。

カードの絵を描いた人と、もうひとりデザインを考案した人がいます。デザインを考案した人はこの人です。アーサー・エドワード・ウェイトという男性です。この人は作家で詩人、この男性が絵の基本を考えて、女性が描いたということ。

こういった話は本格講座の方で、この人達のバイオグラフィー的なことを説明したりしてやってます。

ということで、今日はこんな所でいいかな。皆さんありがとうございました。また明日会える方はお会いしましょう。

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