3000年…気が遠くなる長さですね、西洋占星術の歴史。
占星術講座では、昔々の伝統的占星術と、19世紀末に始まった現代占星術の二種類を習いました。この本では、古いほうの元:プトレマイオスよりも、もっと前から書かれてます。
個人的なホロスコープを作ってみていく占星術の前に、天変占星術っていうのがあったんですね。天に変わったことが起きる→地上でも何かが起きる、天変地異の予測。
このころはまだ「神の気まぐれ」で、だからこそ神に祈ったり捧げものをしたりして助けてもらおうとしてた。神様しだいだから運命は決まってない時代。
その後占星術が「科学」になってから、計算による絶対的なもの=宿命になった。どうなるか決まってるなら受け入れるしかないのに、なんとかして逃れようとするのだから、人間とは…
こういうアンビバレントな感情が占星術にはつきまとうのかもしれないですね。
信じてるわけじゃないけど、未知の自分をのぞいてみたい、とか。人生が初めから全部決まってるのも嫌だけど、自由すぎても決められないから超越的なものに委ねたい、とか…
科学から始まったのに、近代科学によって科学から追放されたのもねぇ、おもしろい(と言っちゃ失礼ですが)。
社会の中での位置づけは変われども、なくなってはいかないのは、何かこう人心をつかむものがあるんでしょうね。
個人的にはルネサンスの章がいちばん面白かったです。プラトン、フィチーノ、ケプラー、ニュートン。
たとえば「天動説/地動説」と「地球中心説/太陽中心説」。言い回しが違うだけと思いきや、もとにたつ考え方が全然ちがうんだ!という驚きとか。
魔術オカルトと占星術の違い、とか。
あとこれ
科学史には、いろいろな道に発展する可能性がある。今日われわれがしたがっているのは、歴史的偶然によって選択された、そのうちのひとつにすぎないのである。
西洋占星術史p162
もしあのとき、別の科学が主流になってたら?今とは違う世界ができてたかも。想像するだけでおもしろいな。
歴史の本だから占い的な話はほとんどないです。少し出てくるけど、あれ?と思うとこありました。もし読まれた方いらしたら、どう思われるかお聞きしたい。
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