アリストテレス『ニコマコス倫理学』と四つの「徳」

5月のEテレ100分de名著はアリストテレスの『ニコマコス倫理学』、古代ギリシャの哲学者が説いた幸福への道です。先月のハイデガーの重たさはなく、なんかおおらか。

エラー - NHK

アサガオの種は花を咲かせるポテンシャルをもっている。同じように、人間も生まれながらに可能性を持っている、可能性を花開かせよう、現実化しよう、そうして充実した生き方ができるのが幸せだと(なんとなく生命の木の右側の柱っぽい)。

可能性実現のためには今ここでどんな選択をするかですが、人間は習慣によって作られるから、「徳」を繰り返して身につけるのが大事なんですね。

四つの枢要徳

  • 賢慮:判断力
  • 勇気:困難に立ち向かう力
  • 節制:欲望をコントロールする力
  • 正義:他者や共同体を重んじる力

「節制」「正義」はタロットでもおなじみですね。「勇気」は「力」でしょうか。

ミンキアーテ版タロットには「賢慮」も入ってます。

左からPrudence,Strength,Temperance,Justice

前に習ったときのメモを見ると、手にもつ鏡は「客観的に状況をよく見直すこと」「自分を見つめ直す」「注意深く見る」とありました。

4つの中でもいちばん大事なのが「賢慮」だそうです。「正義」と「勇気」だけでは戦場で身を滅ぼすこともある。自分が置かれている状況を見て、今は逃げるべきだと判断するのは「賢慮」、その場その場で適切な選択をするのに必要だということ。

どの徳も実際に身につけるのは難しそうだけれど、やってるうちに習慣化したら加速化するっていうんですね。その都度その都度どっちを選べばいいかの選択も素早く判断できるようになる。ほぉぉ。

まぁ当たり前のこと言ってるようだけども、2000年も前の教えが時を重ねて残ってきたのは、人間は大して変わってないということでしょうかね。

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