公開交霊会は満員! 懐疑派vsフォックス姉妹の全面対決|伊泉龍一スピリチュアルを考える24

前回までの小さな交霊会から一転、今回はなんと大ホールでの公開イベントです。しかも最終日には事件まで…!

ついに公開の場へ

1849年11月、フォックス姉妹がロチェスターで最大の劇場コリンシアンホールで公開交霊会を開催することになりました。

きっかけは霊たちからのメッセージで「プライベートな場所じゃなくて、広いところに出ていけ」と言われたとか。これもびっくりですね。

ちなみにチケット料金は25セント。50セントで「貴婦人2名同伴可」というチラシが出ていたそうです。当時としてはどれくらいの価格感なんでしょうね。

当時の霊媒師って大変だった

伊泉先生が話されていて印象的だったのが、「当時の霊媒師(ミディアム)は今よりずっと大変だった」という点。

今でも「見える人」「霊能者」という存在は、興味を持つ人もいれば懐疑的な人もいますよね。でも基本的には「そういう人もいるよね」という認識が社会にあります。

ところが、この時代は違ったんです。

世間の常識が「そんなことできるわけない」という強い疑いの時代だったと。

だから、霊媒をやろうとする人たちは、常に「トリックを見破ってやろう」という目で見られていたわけです。想像以上にプレッシャーだったでしょうね…

10代の姉妹、400人の前で

さて、当日。

初日には地元新聞にチラシが掲載され、翌14日の夜に400人ほどが集まりました。

姉妹はまだ10代なんですよ。しかも当時、女性は人前で何かをすることなどなかったのに、いきなり400人の前で交霊会ってどれだけプレッシャーだったか…

徹底的な調査

ここで調査委員会が組織されて、プライベートな場で検証が行われているんです。

検証結果は…

  • 姉妹が立っている場所の近くの床で音が聞こえる
  • でも離れた場所でもはっきり聞こえた
  • 委員会の一部の人間は背後の壁でもラップ音を聞いた

質問への回答については「すべて正しくもなく、すべて間違っていたわけでもない」。つまり、正解もあれば間違いもあったということ。

そして興味深いのが足の検証。

委員会のひとりが片手をご婦人方の足の上に、そしてもう一方の手を床の上に置き、彼女たちの足が動いていないことを確認しているにもかかわらず、床にはっきりとした振動を感じました。

90ページ『スピリチュアリズムの時代 1847-1903』伊泉龍一 著

「足でガンガン床を叩いて音を出しているんだろう」と誰もが疑いますよね。でも、足を触れていたのに音が鳴ったと。

さらに、当時は19世紀なので、女性の体に触れるのはタブー。配慮から、3名の女性委員も加わって、スカートの裾まで確認する徹底調査した。

にもかかわらずトリックは見つからなかった。

結論:トリックを見破れず

調査委員会は、事実上の敗北宣言をせざるを得なくなります。

トリックが見つからない以上、「露呈されなかった」としか言えない。

懐疑派の人たちは暴こうと思っていたのに、暴けなかったわけです。

最終日の大騒動

そして最終日。

会場は1時間以上前からほぼ満員。このホールの収容人数から見ると、1000人から1200人くらいが詰めかけたそうです。

初日400人→最終日1000人超え。すごい盛り上がりですよね。

火薬事件

ところが!

結果に納得できなかった懐疑派の資産家ジョサイア・ビッセルとその仲間たちが、あらかじめ用意していた妨害工作を決行したんです。

点火された火薬の爆発音がホールの四方八方から鳴り響くなか、ビッセル一派はステージに乱入した姉妹は警察の護衛のもと、ホールの外に退場するという顛末となった。

92ページ『スピリチュアリズムの時代 1847-1903』伊泉龍一 著

映画の1シーンみたいな派手さですよね。

伊泉先生も「こうなると、自分がスピリチュアリズムを信じている・信じていないに関係なく、なんかフォックス姉妹の方を応援したくなりますね」と。

さすがにここまでの妨害が行われると、ちょっと同情しますよね。姉妹に。

ムーブメントの始まり

この3日間の出来事は、多くの新聞で報じられます。

トリックが見つかっていないにもかかわらず、ほとんどの新聞の論調はちょっと冷やかしというか、嘲笑するような感じだったそうです。

でも、記事になっちゃうと一般の人に広まっていくわけですよ。

前回登場したキャプロン(元懐疑派で、今は熱烈な支持者)は、こう述べています:

「公共の調査が終わったその日から、その興奮は大きなものとなっていった。それは報道機関によって合衆国の一方の端から他方の端まで広がっていき、すぐに大西洋の反対側から反響が返ってきた。新聞の大部分は、詐欺としてそれを嘲り、詐欺師としてミディアムたちを非難した。だが、ボールは動き出していた。そして敵対と中傷はその前進を止められなくなったのである」

93ページ『スピリチュアリズムの時代 1847-1903』伊泉龍一 著

流れはもう止められなくなっていきます。これがムーブメントが始まる、実質的な最初の出来事でしょう、と伊泉先生。

次回予告

次回は、フォックス姉妹がニューヨークに行って、有名人やセレブリティの仲間入りをしていく様子と、当時のニューヨークの知識人たちがどう判断したかについてお話しするそうです。

そして伊泉先生いわく「この後どんどん盛り上がっていきますよ」と。

「ラップ音とかそれどころの騒ぎじゃない、面白い話が出てきます」とのことなので、楽しみですね!


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