
伊泉龍一 (著)
下の書評がいいなと思いました。

冒頭に「ヒルマ・アフ・クリント展」の話があって、春に見た時の記憶がめぐる。
アフ・クリントもやっていた交霊会、その始まりは1843年のフォックス姉妹。ふつうの女性が自宅で霊からのメッセージを直接受けとって喋るって、当時は衝撃だったでしょうね。それまでの、教会で男性聖職者の言葉を聞くのとは大きく違うスピリチュアル体験だから。
表立ってことを行うのは男性に限られてた時代に、交霊会は女性が人前で喋ってもいい道筋をつけた(女性自身の言葉でなく霊の代弁だから許されてたのだけど)
後半、スピリチュアリズムを科学的に検証しようとしたSPRサイキカル・リサーチ協会にも触れられてます。名前が上がってるマイヤーズは、読んでて心に残った人物でした。調査に入ったらすぐに信じちゃう傾向があって、はじめは「純情すぎでは?」と思ってましたが、最後の方の章で見直したんです。
「テレパシー」「サブリミナル」などマイヤーズの見立てが、初期の心理学に影響を与えていった。SPRがなければ人間の意識の研究は遅れてたかも?!
昔は肉体としての脳や神経の働きは研究されても、精神や意識って科学の対象じゃなかったわけで、心霊現象を解明したい学者が現れて動きが出た。心理学誕生のあたりも
『スピリチュアリズムの時代1847-1903』のおもしろいところでした。
研究にあたり、学者たちは霊媒師たちを抱き込み、ときに対決し、奇術師もトリックを暴く一役を担った。三つ巴の働きなんですね。学者は錯覚なのか未知の力か調査する、霊媒師はインチキを暴かれなければ箔がつく、手品師は心霊現象を手品で再現してみせて名をあげる、など
その辺は、他に興味深い記事がありました。元プロマジシャンで今は錯覚心理学者の人の語り。数年前のですが↓空中浮遊や小道具の写真も見られますよ。

2019年にこういう本を出してる人

18世紀初頭から催眠術師、マジシャン、霊能者によって実践され、広められてきた欺瞞の術。作り出される幻想が、私たちの感覚を欺くだけでなく、心の仕組みについても教えてくれるという本みたい。
上の本の著者は言います。
超能力や霊能力で死者と交信することが可能だという主張には、自分自身の経験や研究に基づいてわたしはかなり懐疑的ですが、過去とつながることの魅力は十分理解しています。ただ、霊媒師ではなく、文献を通じてつながる方がいいですね。
元マジシャンの錯覚心理学者が解説する「霊媒師と奇術と心理学の歴史」
伊泉先生の本も「信じているわけではない」から始まってますが
霊的なものや超常現象を信じるわけではないが、かといって無下に否定したり揶揄したりすることもない著者の筆致も信頼できるところだ。
『スピリチュアリズムの時代 1847-1903』(紀伊国屋書店)|碧海寿広(ちえうみ書評委員)
こういう立場に共感する方に見ていただきたい。スピリチュアリズム・シリーズ動画(再生リスト)
ご紹介した書評に出てきたこの本

私も前に旧版のほうで読みました。これは400ページなのでね、伊泉先生の本は倍のボリューム、内容ぎっしり!




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