本『アンコモン・ピープル ―「ロック・スター」の誕生から終焉まで』

伊泉先生が訳された音楽本シリーズの3作目

家族の持ち物を、いないすきに盗み読みしてるのでまだ途中なんですが(自分で買えばいいんだけども)おもしろいです

”1950年代半ばに「ロック・スター』は誕生し、1990年代半ばにこの世を去った。私たちは彼らの中に何を見たのか?私たちは彼らから何を求めていたのか?

『アンコモン・ピープル ―「ロック・スター」の誕生から終焉まで』の帯より

みんなの夢を生きたのがロック・スター「アンコモン・ピープル(普通でない人々)」なんですかね。一般人に何かを「投影」され、幻想を体現してくれてたのか。海王星やディオニュソス神みたい。

本では、1955年のリトル・リチャードから1994年のカート・コバーンまでの40年が、1年1人(1組)のエピソードで綴られてます。1エピソードは12〜14ページくらいの短いもので、一つずつ完結もしてるんだけど、読み進めてくと全体が大きな物語につながってくんですよ。

好きなアーティストから読もうとしてたら、先に読んでた家族から「頭から読まなきゃだめ」と言われたの、今わかります。

最初のギター・ヒーロー、初めて自分のキャラを作り上げた人、ロックにオカルトテイストを加えた人などなど、そういった前例があったから新たなグループが生み出されてったんだなぁとか、音楽ビジネスの巨大化やそれに翻弄された人たちの様も見えたりで、ページを進めながら流れをおってくのが楽しい。

レジェンドたちを崇めるんじゃなく、ちょっと意地悪な目線で書かれてるのもいいんですよ。素朴そうな人が意外と計算高かったり、計画的につくられた虚像だったりを、暴露本的にでもなく、いいさじ加減でシニカルに描写してるのが私好みです。

なんといっても、一年ごとにプレイリストがついてるのがいいです!

知らない固有名詞がページを埋めてると文が頭に入ってこないんですけど、『アンコモンピープル』は今までの2冊より読める!と思いました。取り上げられてるのがメジャーな人が多く、ぜんぜん詳しくない私でも知ってる名前がほとんどでした。

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