『自己啓発の罠』

「私たちは自己啓発に囚われている」。

なにかを達成しなきゃ、能力を高めなきゃと励むのは、何もかも自分次第だという考えがあるからですよね。でも個人でどうにもできないこと、社会が解決しなければいけない問題もあるんじゃないか?という話。

自己啓発って、かつてのニューエイジ・ムーヴメントともつながりあると思うんですけど、彼らの”一人ひとりが進化成長しよう” は、個人個人の精神が変われば社会もすばらしいものに変えられるという理想ではなかったかしら。

そこから「社会」が抜けてって、「一人ひとりがアップグレードしなければ」だけが残ったのなら、なんでも自己責任のシビアな世界です。当時の人が好んだ「愛、平等、ワンネス」等のフレーズも今や虚しく。

ちょうど、カラーセラピーの先生が「世の中も人々の価値観も変わった今、ニューエイジ的カラーセラピーをどう扱うべきか」というお話をされていたところだったので、いろいろと考えちゃいました。

カラーだったら、チャクラのレッドからバイオレットへ、1段1段つみあげていく成長ストーリーがあります。

心理学化したタロットや占星術にもありますよね。タロットならフールズ・ジャーニー、心理占星術なら牡羊座から魚座まで、1ハウスから12ハウスへの成長物語。

これらの「成長」にだけ目を向けると、最初のものは低次で上がるほど高次ってことになります。牡羊座は単純で未熟、1サインずつ学んで先に行くほどすばらしい?人間に上下をつけるのは変じゃない?

【色々】あるから豊かな世界。垂直にあがるのだけがいいんじゃなくて、多様な人が共生できるのがいいと思うんですけどね。

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