関西に巡回するのを待ってました、デ・キリコ展

今年2024年はアンドレ・ブルトンのシュルレアリスム宣言から100年だそうで。
夢・想像力・狂気によって、現実の奥深くにある「超現実」を表面化しようとしたシュルレアリスム。それより前にあって、のちのシュルレアリストたちを夢中にさせたのが形而上絵画、その命名者デ・キリコの展覧会です。
子どもの頃、初めて見た時からなんとも心をつかまれた不思議な絵が見られて満足。
キリコの絵って、使われている色は明るいのに、なんともいえぬ寂寥感や虚しさ、憂鬱を呼び起こす。
広場、駅、街、人がいるはずの場所に人っこ一人いない。伸びる影の長さから秋なのか夕方なのか?黄色みがかかった光と影の強烈なコントラスト。この瞬間に時間が止まって、固まってしまったみたい。
これは離人病ぽくなったときの現実感のなさに似てるんだよなぁ。間違った世界に迷い込んでしまったような、実際には周りに人がいるのに自分一人しかいないみたいな、見るもの聞くものすべてがひゅーっと遠のいてくような感覚。

ジョルジュ・デ・キリコ、1888年生まれ(ゴールデン・ドーン結成の年)、初の形而上絵画制作は1910年(WSタロットが出たくらい)。世紀末のムード、父を早くに亡くしたこと、ニーチェやショーペンハウアーの思想に触れたこと、世界大戦を経験したことなどの影響を思う。
キリコはのちに画風を変え、古典的な絵画を描いた時期もありました(ギリシャ生まれのイタリア人だから、ルーツに戻ったとも言えるのか?)
下の絵なんか同じ人の筆とは思えないですね。

モデルは2番目の妻。年表をみたら40代初めに出会って60代で再婚してたんだっけな。人間がいない、顔がない絵を描いてた人が、こっちに眼差しを送る人物を前面に描くとはね。
そのあと、一周回って前とは違うタイプ「新」形而上絵画を描いたりと、キリコは変遷の人でした。


私はシュルレアリストと同じく、初期の形而上絵画がすきですね。彫刻もよかったけど。
今回の展覧会は初期から晩年まで80点きてます。
神戸では〜2024年12月8日(日曜)まで



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