ものすごく行きたかったけど行けなかった講座をオンラインできいてた。テーマは「他者」

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哲学者 國分功一郎さんの「似たものについて考えるー類似的他者の概念について」

哲学で「他者」というと、私と異なるもの、違い、隔たりを強調するのが王道です。この講座では、それに対し、似たものが果たす役割について考えたいと思います。
自分と似ていると感じられる他者ーそれを類似的他者と呼びましょう。類似的他者を考えるということは、私と他者の関係や、そもそも私はどう成り立っているのかという、ごく日常の世界を再考し再構築することでもあります。〈私ー他者〉の関係以前にあるものを、似たものから考えてみたいと思います。
参考にするのはミシェル・トゥルニエ、ジル・ドゥルーズ、ジャック・ラカンらの仕事です。
講師の現在の関心をお伝えしつつ一緒に思考する、〈哲学の実験室〉を目指します。

NHKカルチャーの講座案内文より

國分先生は語り口が面白く、それだけで引き込まれるんですけど、むずかしい概念をど素人にもわかるよう説明しようとしてくれるから、頭がイキイキしてきます。

今回も関心をひかれる話題が多かったですが、なかでも印象に残ったのは

他者がこの世界にもたらすものは可能性

世界に自分一人なら?見えてるものが世界のすべて、目の前で起こってることだけが世界、可能性がまったくない。

だけども、他者がいれば、自分が見えてないものを見ている人がいる、自分に見えないものが存在してると想定できる。思いがけないことを思いがけないこととして受け止められる。驚きとともに世界が広がっていく。

ここでいう他者は、自分とまったく違う人じゃなくて、なんとなく似てる人なのがポイント。自分の代わりに自分と同じように世界を体験してくれるだろうと思える人でなきゃいけない。

例がありました。ひとつも言葉がわからない外国に行ったら、周りにどれだけ人がいようと、無人島にいるようなもの。知覚の仕方に特性があれば、同じ感覚をもつ人になかなか出会えない。無人島にいるようなもの。

似た他者になかなか出会いにくい人もいるということ。本人が無人島で生きたいならばそれでいいとして、望まない無人島いきはさびしい。

サービス中心の現代のビジネスにおいては、コミュニケーション力の高さが求められるから、以前なかった障害が大量発生してるとか。マジョリティから異質な他者として区別されてしまうことで、他者なき世界、可能性のない世界を生きることになるのはなぁ。

今回のテーマは國分先生がASD研究のひとつとして考え始めた、まだ途中経過の話とおっしゃってて、発達障害児の教室を始めた今、偶然この話に出会って驚くとともに、いずれ発展した議論も聞きたいなぁという気持ち。

「フライデーあるいは太平洋の冥界」
ロビンソン・クルーソーとフライデーのもう一つの物語。
南海の孤島で遭難したロビンソンは、島を開拓し、食料の備蓄に努めるが、野生人フライデーの登場によってその秩序は一瞬のうちに崩壊する。文明と野蛮を双子のように描いた哲学小説。

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