映画『素晴らしき、きのこの世界』に本『ハーバード・サイケデリック・クラブ』のあの人が

映画『素晴らしき、きのこの世界』公式ウェブサイト
2021年9月24日(金)より新宿シネマカリテ・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開|あなたは、まだきのこの偉大さを知らない――。ブリー・ラーソンのナレーションで贈る、希望と驚異、魅惑のきのこワールド!

ナショナルジオグラフィックなどの映像作家によるドキュメンタリーで、前から見たかったんです。

期待通り、視覚的よろこびが満ち満ちてきました。キノコがニョキニョキ生えてくる、土を破って双葉が芽吹く、蕾から花開いていくところなど、タイムラプスやマクロ撮影を駆使して、自然の美が続々と映し出されて。

知らなかったキノコの生態や可能性を聞いてるうち、キノコに魅了されてもいきました(アカデミックな学者さんからは異論もあるようですが)

キノコを人間生活に役立てる研究を語るのは、超絶なキノコ愛をもつ菌類学者ポール・スタメッツ。この人がキノコにハマったきっかけがなんと!「ティーンの頃、マジックマッシュルームで意識を高揚させた経験から」なんですってよ。アンドルー・ワイルの本を読んで。

アンドルー・ワイルとは、本『ハーバード・サイケデリック・クラブ』の主要な4人のうちの一人。

読んだばかりの本『ハーバード・サイケデリック・クラブ』を思い出しながら続きを見てると、まさにまさに!ティモシー・リアリーたちのプロジェクトが出てきました。

一時禁止されたマジック・マッシュルーム研究は90年代に復活し、今は余命が短い人の緩和ケアにも使われてるみたい。実際の被験者たちが出演し、体験談を語っています。「意識が激変して生きるのが楽になる」「壮大なネットワークの一部になる」「愛されている感覚」ティモシー・リアリーの時代の感想と同じだ。

体験者の知覚イメージ?万華鏡みたいな映像が流れてましたけど、最初に書いた自然の生成変化の映像こそサイケでは?カラフルで生命の躍動があって。また、「宇宙と一体化」する感覚とは、キノコ(菌)が死者の体を分解し、別の命に吸収されていくプロセスに似てる?とか思いました。

本の文章だけではぼんやりしてたとこが、ヴィジュアル化された感じ。キノコを通じて。

予告編でも少し見られるのでよかったら。

マジック・マッシュに注目すると精神的な効用ばかりのようだけど、身体に作用する薬にもなるし、化学薬品を使わない害虫駆除や環境汚染対策もできそう、キノコすげぇ!です。

そういう自然派の元がアンドルー・ワイルか。対症療法の西洋医学に対してのホリスティックな東洋医学、自然療法の推奨など。映画では、なんと本人が登場して喋ってます!

また、キノコの声を担当してる女優ブリー・ラーソンがラム・ダス(リチャード・アルパート)のドラマ「Being Ram Dass(原題)」を制作する話があるっていうのもおもしろい。

カウンタ・カルチャーは遥か昔に消えてしまったようでいて、今も一部の人を惹きつけ、小さな部分からでも世界を変える動きになってるのかも。

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