映画『ぼくたちの哲学教室』

当地ではミニシアターでの上映で、週末は立ち見も出たとか。今日も月曜なのに満員でした。注目度高いのかな。

北アイルランドの男子小学校のドキュメンタリー映画。

「北アイルランド紛争」はもう昔のことかと思いきや、宗教・政治の対立は今もおさまらず。校門に爆弾が仕掛けられ、子どもたちが避難するショッキングなシーンもありました。

そんな殺伐とした街ベルファストで

「やられたら必ずやり返せ」

親にこう教えられている子どもたち。それは荒んだ地で生き延びる術だったのだろうけれど、暴力に暴力で応じていたら永遠に平和は来ない。

憎しみの連鎖を止めようと立ち上がったのがこの校長先生。

親の言うことを鵜呑みにしないで、疑問をもち、自分で考えるように促します。

グループで自由に意見を出し合うのもひとつ。人の数だけ意見がある。自分と違う意見も聞いてみる。たったひとつの正解はない。

トラブルを起こした子とは一対一で話をする。「なんで手を出したの?」問われた子は考え、自分の言葉で語り出す。自分の怒りや不安の感情をいったん離れて見てみることも教える(小学生に!)。

そうはいっても彼の地の現実はひどくて、ドラッグや犯罪に取り込まれずに成人するだけでも難しそう。それでも教育が未来を変えると信じて、子どもたちに希望をみる。

なんだか生命の木を下からあがっていく道に似て。

『ぼくたちの哲学教室』公式サイト
https://youngplato.jp/

ちなみにケヴィン校長の愛読書はこれだそうです。1日1ページずつ読める、366の哲人の言葉だって。

別の映画で、地名そのままの『ベルファスト』では、北アイルランド紛争のはじまりの様子が見られます。ベルファスト出身の監督ケネス・ブラナーの自伝的映画。

映画『ベルファスト』公式サイト
https://belfast-movie.com/

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