本「読書について」

「本屋に行くならついでに買ってきて」と頼まれた本

来月この本の読書会にいくらしい。ほんとは下の↓岩波文庫版を推奨されてたらしいけど、あとから言われましてもね。

おつかいに行った特権で私も読んでみたら面白かった〜

「自分の頭で考える」「著述と文体について」「読書について」の3つの短編で、帯に書いてあるまんま。

読書するとは、自分で物を考えずに、代わりに他人に考えてもらうことだ。他人の心の運びをなぞっているだけだ。それは生徒が習字のときに、先生が鉛筆で書いてくれたお手本を、あとからペンでなぞるようなものだ。

ショーペンハウアー,読書について (光文社古典新訳文庫)p.138.139.

誤解されそうだけど「本は読むな」ではなくて、まず自説をたててから権威ある文献で学ぶとか、読んだものが自分の中に根付くまで考える、のは人の考えをなぞるだけではない。自分で考えることの大事さが語られてます。

そんな頭があったらいいのだけど…でも「ただ読むだけ」ではいかんな、とは伝わってきます。とりわけ流行りもの、大衆に大受けする本は徹底的にこき下ろしてて、声出して笑っちゃった。

「類は友を呼ぶ」と諺にもあるように、偉大なる人物の思想より、今日の浅薄な脳みその人間がくりだす底の浅い退屈なおしゃべりのほうが、読者と似たもの同士で居心地がいいからだ。

ショーペンハウアー,読書について (光文社古典新訳文庫)p.146.

これは、今で言うなら本よりテレビやネットでは?頭を使うことなくぼーっと見てられて、なんかちょっと知った気にもなれて、自分で考える力が失われてるかもしれませんな。耳が痛い。


そもそも本屋に行ったのは、楽しみにしてたこの本を買いに。

言語が消滅する前に (幻冬舎新書)

なんで先にショーペンハウアーから読んだのか自分でも謎だけど、あれを読んだからには考えながら読むぞ。

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