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タロットとカバラの「生命の木」(全2回)

伊泉龍一先生

2014.6.11、7.9に名古屋で開催

◆講座案内

19世紀後半、タロットはオカルティズムとの結びつきを深めていく中で、カバラの「生命の木」という図式との間に対応関係が形作られ、新たなカードの解釈が生みだされるようになっていきました。それによって新たに「カバラ・タロット」とも言うべき新たなタロットの伝統がスタートすることになりました。

本講座では、中世のユダヤ教のカバラから、ルネサンス期にユダヤ教という文脈から離れてキリスト教に取り入れられていくことで誕生した「キリスト教カバラ」、さらには近代の「魔術的カバラ」とも呼ばれる新たなカバラのシステムへと発展していく流れを概観し、いかにしてタロットがカバラと結び付けられ、どのように新たなタロットの伝統が作られることになったかも見ていきます。さらに、そもそもカバラとは何であるかを簡潔に解説した上で、「生命の木」を構成する32の「セフィラー」と「パス」の構造についても概観していきます。それによって、近代以降のタロットの展開を振り返ってみたいと思います。

「生命の木」とタロットの対応関係は、「ウェイト版」や「トート・タロット」のような有名なタロットも含む近代の「カバラ化されたタロット」を理解していくための欠かすことのできない鍵となります。それぞれのカードの持つ意味をより深い知りたい熱心なタロット・ファンの方は、ぜひご参加ください。

◆レポート

「カバラ」「生命の木」、単語自体は聞いたことがある方も多いかもしれません。でも、それがいったい何なの?ていうと、よく分からないものじゃないでしょうか。講座自体も、あまりないと思われます。一度はちゃんと知ってみたかった「生命の木」、うれしい機会でした。講座1回目は「カバラとは何か?」。カバラの歴史と、魔術や神秘主義の考え方などをご紹介いただきました。ウエイト版タロット研究会にいらしている方には、なじみのあるところだったかなーと思います。2回目は、「生命の木」自体の解説。この図を縦・横それぞれエリア分けしての意味、各セフィラーの意味、またエネルギーの流れるパターンいろいろをご紹介いただきました。占星術との対応は、個人的に興味をひかれるところでした。タロットカードとの対応も、もっと聞きたかったのですが、残念ながら時間切れでございます。マニアックな内容ゆえ、続きが開講できるかは今のところ「?」ですが、もう一度は開きたいですねぇ。

タロットとカバラの「生命の木」1回目 2014.6/11