カバラ/生命の木とタロット

昔々のタロットは「カバラ/生命の木」とは関係なかったんですよね。

カバラとは、もともとはユダヤ教の聖書を深読みする秘伝。その説明のために図にしたのが生命の木だとか。

生命の木

その後キリスト教徒がカバラを取り入れた時代も、まだタロットとは何のつながりもありません。宗教の話だから。

ところが19世紀半ば、ふとひらめいた人がいるんですね。「これ、タロットと結びつくんじゃ?!」フランスのエリファス・レヴィ、オカルト界のレジェンドです。カバラとタロットとの対応を本にしました。既存の宗教とは無縁の、新しいカバラ―魔術的カバラの始まり。

この流れから、タロットとカバラの対応をさらに推し進めたのが黄金の夜明け団(イギリス)で、生命の木に合わせて新しいタロットの意味を作っていったとか。

となると、マルセイユ版のような伝統的なタロットの絵では、生命の木の意味に合わないものも出てきます。そこでカードの絵を修正しだした、そのひとつがウェイト版タロット(1909年発売)。

(こういう歴史をもっと知りたい方は、伊泉先生のタロット大全―歴史から図像までを読んでみてくださいませ)

ということで、カバラ/生命の木を知ると、ウェイト版タロットの深みがわかります。なにげなく見ていた絵に、秘められた意味が見えてくるんですね。

独学ではなかなか難しいのがカバラ/生命の木ですが、伊泉先生の講座では「ほかで勉強してもわからなかったことが、はじめてわかった!!」というお声もあります。

黄金の夜明け団についてはこちらも。どんな人たちが何をやろうとしていたのか、とてもわかりやすいです。




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