「タロットを学んでいる最中だけど、もっともっとリーディングを自由にできるようになりたい人のために」講座の文字起こししたもの

伊泉龍一先生無料タロット講座

(チャットでの質問は一部カットあり。このBlogのコピペはご遠慮ください)

昨日は超初心者向けに話しました。最初にどういう風にタロット勉強したかって話をしました。

それは、カードの絵を見てシンプルに色々タロットの本が出ているので、そのタロットの本に出ている占い上の意味っていうものを比較してみました。

カードの絵を見て、それでタロット本の占い上の意味みたいなところを比較すると、なんか絵と意味が、なんとなく一致するものもあるんだけど、全然一致しないものもある、最初にそれに気づいたわけです。

これ昨日も言ったけど、20何年やってきて、自分の指針としたのは、タロットを始めた頃の初々しい気持ちを思い出してしゃべるって事なんですよ。何年もやってると、タロットなんて飽き飽きしてると思う時期もありました。初めての頃の気持ちを思い出すということです。

話を戻しますと、そのころのことを思い出すと、絵と意味があっていないところがある、当然タロットの命は、命って言い方を強調しますけど、命は絵ですよね。だって絵がなかったらタロットの意味ないでしょ。

ここに文字だけ書いてあったらどう?こんな人気出ると思わないですよね。タロットの人気は、この絵のおもしろさも要因のひとつじゃないですか。紙っていうのもいいですよね。最初この紙っていうのもなんかよかった。

今だったらインターネット上でタロット占いもできたりするし、それはそれで面白いかもしれないけど、やっぱりこの手で触れるっていうツールの魅力もありますよね。

どうしても占いの本に書いてある意味が違和感あるわけですよ。どう考えても結び付けられない、それで次です。何冊かの本を見比べてみることにしました。当然のことながら、そうすると次に二つ目の疑問が出てきました。

一致しない意味があるだけではなくて、今度は本と本を見比べた時に、その本によって書いてある意味が違ったりするんですよ。これどういうことかなって思ったりなんかしました。

最初の頃本当に、全然あの皆さんよりももっと知らなかったレベルだと思うんですよ。その当時僕は、子供の頃に占いとかタロットに興味を持ったことがなくて、大人になって初めて出会った時の話なので、ほんとにわからなかったんですよ。

それでどうしたか。次のステップどうしたかっていうと、まず絵に何が描いてあるんだろうというところに向かいました。でこれがね、僕のタロットの勉強の方向性として、今思うと、当時はわからなかったんだけど、今につながる第一歩だったなと思います。

なぜこの話をしてるかというと、今日はタロットをある程度やってて、もしかしたら行き詰まったりとか、もうちょっとステップアップしたい人向けの話なので、その話につなげようと思ってるんです。

もし僕が最初始めた時、カードの意味を占い上の本に書いてある「このカードの意味はこうです」みたいな、意味を丸暗記するというスタイルでタロットを勉強したら、今にいたってないんですよ。

最初に言ってしまいますが、これはあーそうね、絶対にこの僕のやり方がいいと断言しないけど、僕はいいと思ってるから皆さんにいいます。他のやり方がダメとは言いません。僕が一番いいと思ってるやり方を言います。

僕が良いと思っているやり方は、カードに書いてある占い上の意味をまったく覚えないというやり方なんですよ。それが今の自分のタロットの理解に至ったと思うんです。

どういうことかってことね。今日のこの後の話って、僕の講座のタロットの占いの講座に参加された方は、聞いてくださってる内容にかぶると思うので、ちょっと今日は変化をつけて、別の観点から説明します。

全然皆さん興味ない人もいるかもしれないし、全然タロットの話と関係ないじゃんと思われるかもしれないけど、関係ないのをもってきます。

まず占星術に例えてみます。占星術を全然知らない方がいてもいいんですよ。しかも興味がない、一生そんなものやりたくない人もいてもいいんですよ。逆に占星術に興味がある人は、それがタロットにどうつながるのかということを、興味深く聴いてもらえるかもしれない。

占星術にハウスっていう概念があるんですよ。
ハウス。今お見せします。

ホロスコープをこういう風に12に分ける、こういうやり方があるんですよ。やり方っていうかこれがホロスコープの基本なんだけどね。ハウスという概念があるんです。

それはこのホロスコープを12に分けて、私たちの人生の起こる出来事を12パターンに分類するという発想なんですよ。タロットと全然関係ないように聞こえるかもしれないけど、もうちょっとお付き合いください。これはむしろ今日占星術も勉強してる人にヒットする話かもしれない、もしかしたら。

占星術を勉強する人の中に、やっぱりハウスっていうのが苦手って言う人が結構いるんですよ。12星座が苦手っていう人はあんまり聞いたことがない。

牡羊座ってこういう性格でしょ、牡牛座ってこういう性格でしょっていうのは、皆さん子供の頃から雑誌を読んでいるから、慣れてるじゃないですか。ところがハウスは苦手っていう人いるんですよ。これはね、タロットを理解する鍵になることを今言おうとしています。

なぜ12星座が苦手な人があんまりなくて、得意な人が多いかって言うと、十二星座を覚える時に理解する時に、十二星座のキーワードを子供の頃に暗記した人います?

多分皆さん12星座が、占星術を本格的に習ってなくても、なんとなく双子座がこんなのと言えるのは、キーワードを暗記したのじゃなくて、その星座の性格を描写してる本を好きだから、ひたすら読んだからでしょ、わかります?

もっと言い方を変えるなら、12星座の各星座の性格を表す物語を読んだからでしょ。牡羊座の人ってこれこれこうだからこんな風になっちゃいます、みたいな物語を読んだからでしょ。キーワードを決して暗記したわけじゃないでしょ。

キーワードを暗記していない十二星座のが皆さん得意なんですよ。ところがハウスを学び始めたときに、

(あ、途中から来た人ね、今日占星術の講座に間違ってきたかなって思う人いるかもしれんけど、占星術に例えて話ししてるから、安心してください。間違えじゃないです。今日はタロットの講座です)

十二星座とは違ってハウスの方はというと、一個一個のキーワードを覚えようとするんです。というか覚えるんですよ。現にその物語を読むんではなくて。

そうすると、例えば8ハウスという8と書いたこの場所は「死」と関連する場所、ないしは現代の占星術だったら「死と再生」、今の瞬間、この一言だったら暗記できるじゃないですか。暗記はできるけど、このキーワードだけを覚えてしまっても、この「死」という言葉が何を意味してるのかっていうことが理解されないままなんですよ。

これと同じことがタロットに起こってるんです。だから僕は意味を暗記しない、覚えないというやり方をおすすめするのは、十二星座占いのように、物語をとおして理解した方がいいということなんです。

僕の講座ではだから一枚一枚のタロットの絵を説明するときに、一枚一枚のカードのキーワードを、何て言うのかな、暗記するようなプリントで配って「皆さんこの意味でやってください」って一切やりません。どうするかっていうと一枚一枚の物語を語ります。

占星術のほうにもうちょっとだけ関連させて、タロットの方にいよいよ戻りますよ。例えばですよ、占星術で、あ、ちなみに僕もタロットばっかりと思われてるけど、占星術の本も出してるし、占星術の講座もやってんですよ。あぁ、ありがとうございます。その本です。

僕が占星術を説明するときの説明の仕方で、8ハウスを説明しましょうか。「死と再生」とか覚えないんですよ。何かっていうと、これね、実は2つハウス書いてます。

上のほう矢印がこうなってます。

下の方、矢印が逆回りになってます。気づく?

こっち周りとこっち回り2パターンあるんですよ。違いについて一言言うと、上が2世紀の頃に基礎が作られた、古い時代の占星術です。下は、20世紀になって作られた新しいタイプの占星術です。

皆さんが知ってるのは下だと思う。1ハウスから順番にぐるーっと一周してハウスを理解するってやつです。上は逆です。逆まわりなんです。

でこれね 、ハウスの場合、「死」という意味を暗記するんではなくて、この一連の物語の中で理解するんですよ。ここの意味って何かって占星術の本を読んだことがある人なら「遺産」とか書いてません?

なぐり書きしましたけど、「死」「遺産」これ二つの言葉をただ頭に入れます。ここで気づいてください。「死」「遺産」というこの言葉を頭に入れても、これつながり全くなくない?つながりがないまま、こういうキーワードを頭にいれていくんですよ。これ一言で簡単に説明してしまうと、こういうことですよ。

ここの場所4っていうところは、「家」っていう意味なんですよ。昔の占星術だと、こっち回りで家からこう、だんだん出ていって、遠くにまで行きました。

人生長い時間経過するとどうなるかっていうと、つまりここ、生まれたばかりの段階みたいなもんです。大人になって成長します。そうすると8ハウスになるとどうなるかっていうと、そうなんです、今の僕ぐらいの年齢のイメージです。8ハウスって。

人生の頂点を過ぎて、もう老いる一方、そういう時期です。そうするとこれね、実はなんでこの話をしたかっていうと、最近しみじみこの占星術の8ハウスの持ってる意味と、自分の人生をすごく重ねて合わせてしまうことが多いからなんですよ。

昨日、この無料講座をやった動機について二つ話しました。その一つがこうだったじゃないですか。一つはタロットを自分が学んだ時に、すでにタロットやってる方々がいて、僕は第1世代じゃないんですよ、当然のことながら。

もっと先輩たちがいるんですよ。その人たちがタロットを広めてくれた、それを自分は受け取った、年をとってきて、自分の人生まだ終わらないかもしれないけど、だいぶ時間が経った今、今度は自分が残してくほうだ、そういうふうな話をしました。

だから今回の講座の目的の一つは、講座にわざわざ行くのはあれだけど、無料だったら受けてみようかな、しかもまったくタロットをやったことない人におもしろいと思ってもらいたいな、思ってもらえたら、タロットって自分が死んだ後も広まってくんだ、わかりますか?

そういうのが一つの目的って言いました。ちなみに昨日聞いてない人に言うけど、僕はただ単に善人で愛にあふれた人でもないのではっきり言います。それは一つの目的で、もう一つあるんですよ、ちゃんと。講座の宣伝に決まってるじゃないですか。偽善は言いません。講座の宣伝もありますが、それだけじゃないのは本当なんですよ。

宣伝しなくても講座は人が集まるので、別に無料でやらなくてもいいんです。でもこれを聞いて講座に来てくれなかったとしても、タロット面白いなと思って、自分の好きな先生のとこでみんな習えるじゃないですか。そのいちばんの土台をやりましょうというのが、目的だったわけですよ。

僕もまだ死なないけど、8ハウスで死ぬって話じゃないんですよ。自分の人生を振り返ってみた時に、振り返り、そしてこの先を見たときに、ずいぶん時間がたって、いつかは自分も死ぬし、タロットを止めるときもくるんだっていう気分なんです、8ハウスって。

死とは自分の終わりを意識するってことなんです。そして終わりを意識することによって、自分がタロットをやめた後に何かを残してこう、遺産として。こういう意味なんですよ、8ハウスって。

「死」と「遺産」というのは、皆さんこの長い話を聞いて初めて、このキーワードとされてる言葉の意味が「あぁ、そういうことだったんだ」って理解できたでしょう。

タロットの学びの大事なのは、占星術の今の例を出したのと一緒で、理解するということなんですよ。言葉を覚えるんじゃなくて。キーワードを暗記するんじゃなくて。分かりますか?

ちなみに、普通に20世紀に入って作られた占星術を聞いてる人は、「なんか私の知ってる説明と全然違う」と思われたかもしませんが、ついでに一応言っておきましょうか。

現代占星術の観点で8ハウスをみた場合は、1ハウスからこう進んでいきます。これは何を意味してるかって言うと、7ハウスは「他者との関わり」と言われています。他者と深く関わることによって自分が変わっていく、それが「死と再生」と言われるゆえんです。

深く関わっていくことで、それ以前の私が、ある種の象徴的な意味で死に、新しい自分に生まれ変わる場所と言われています。これが8ハウスの現代占星術の「死」と「再生」という意味です。観点は違いますけど、近いところをついています。

深く関わるっていうところに注目しましょう。人でもいいし物でもいいし、自分以外のものと深く関わるっていうことです。それによって変わっていけるって言いました。

昨日の話で、僕はタロットを勉強して、タロットに触れ合うようになり、学ぶことによって良かったなっていうのは、僕も変わったんですよ。少しは。

あるものと深く関わるっていうのは、自分自身も変わってく事になるんですよ。タロットを学んで霊的次元が上がったと思わないけど、神に近づいたとは思わないけど、少し寛大になりましたし、少し自分の偏見に気づくことができるようになりましたし、人生を生きる中でちょっと変化はありました。いや「ちょっと」は謙遜していってます。だいぶん変化がありました。

これが、何かを学ぶっていうことの意味だと思うんですよ。皆さんタロットを学ぶことによって、意味を暗記するんじゃなくて、そのカードのもっている世界観を理解し、そして生き方自体も変わっていくっていうこと。これがタロットの素晴らしい点だと思うわけです。

そういうタロットの側面を、僕が体験したことを、引退する前に、半ば引退してる気分だけどね、「引退する前に伝えてみようかな。今までだったら、普通に講座に来た人にしか伝えられなかったけど、無料講座だったら『講座に行くまでは聴きたくないけど、無料だから聞いてやるか』という方も参加してくれるじゃないですか。そういう人たちに伝えられる、その人たちが僕の講座に来なかったとしても、ちょっとタロットに対する見方が変わればいいな」と思ったわけです。

じゃあ占星術の話からタロットの話に戻しますよ。もう占星術はいいと思ってる人もいると思うので、心が読めるんですよ、僕は。嘘。思ってる人もいるかもしれないので、本題のタロットの話をします。ちょっと脱線しましたがね、今日は。

じゃあ、絵を見るということをやってみましょう。「マジシャン」っていうカードです。こっちは「正義」というカードです。全然絵が違いますね。

「マジシャン」というカードに、「塔」のカードを比較してみましょう。これも全然違いますね。

今からあと10分ぐらいやりますけど、今から皆さん、自分が覚えているタロットのカードの意味は、一旦カッコに入れて横によけといてください。この「マジシャン」のカードは、恋愛だったらカクカクシカジカっていう意味は一回よけてください。で絵を見てみましょう。

僕が勉強したのはこうです。さっき言った、本に書いてある意味が当てはまらないし、なんかちょっと深みのない意味が多いから、「マジシャンのカードは始まりのカードで、恋愛だったら新しい出会い」とか書いてあって、僕当時20代後半だったので、恋愛で新しい出会いとか書かれてると、もうこんな女子供のっていうと怒られるけど、こんなんやってられるかと思ったんですよ。

カードの絵がおもしろかったから、このカードの絵に何が描かれているのかってことに注目するんです。何が描かれてるかってことに注目すると、テーブルの上に物があって、その前に人が立ってるじゃないですか。

こうしてみていくと、このカードは全く初めての方もこう見えません?テーブルの上の物を使って、何かをやろうとしてる人のように見えません?

じゃあこっち見てみてください。

「塔」はテーブルの上に物があってじゃないですもんね。建物が、何か上から降ってくるものによって打ち砕かれていませんか?

全然違う絵だっていうのは一見してわかるけど、説明を聞くとより明瞭になりませんか?今やってるのは単純に絵を描写しているだけですよ。占い上の意味とか一切話してないですよ。絵の単純な描写です。

でもここから、キーワードがこれなんですよ、はい、皆さんが日常使う言葉「想像」してみるって事なんですよ。想像してみるって言ってもピンとこない人に対して、「想像」を実際に実践するためにキーワードをあげます。

この感覚です、あえてくだけた言い方をします。「〜みたい」ってことです。ここの「〜」のところにカードを当てはめてください。「魔術師」みたい、「塔」のカードみたいっていう風に、想像していくモードにならなきゃいけないんです。

このカードの意味は、眉間にシワ寄せて覚えるんじゃないですよ。このカードの絵みたいっていう、こういう感じ、雰囲気、だからタロット占いをやってる人の中で、想像力を働かせてる人は遠くに見ててもわかります。顔の表情とか動きでわかります。決してこうやって「このカードの解釈は」ってやらないんですよ。

「このカードみたいってことは?」って「想像」するんですよ。いいですか、「このカードの絵みたい」っていうことは、「マジシャン」と明らかに違うのは、「塔」は自分が何もやってなくて、やんなくても何かがやってきてる絵じゃないですか。自分がなんかやったわけじゃなくて、上から何かが降ってきてるわけじゃないですか。

「マジシャン」は自分が何かやらないと何も始まらない感じしません?だってテーブルの上のものは、ほっといても動かないんですよ。この人が何かをやろうとして初めて、テーブルの上のものは道具として機能するわけです。

皆さんね、自分の人生どうしようかなって悩んでる時に、じゃあわかりやすい「マジシャン」でいきましょうか。最初に学びとなる一番のカードにしましょう。

このカードが出たってことはどういうことですか?このカードみたいな状況なんだって、自分の悩みを思い出さなきゃダメなんですよ。このカードみたいっていう風に自分の状況を想像したらどうですか?「〜みたい」と想像したら。

「てことは、私の今の状況って、自分が目の前にあるものを使って、自分から働きかけてかなきゃ何も始まらないんだ」ってカードのメッセージが受け取られません?これがリーディングの最初のステップです。

一切意味を覚えて暗記する占いとは違うんです。まだこの僕のやり方のインパクトは、今日初めて聞いた人はあんまり伝わってないかもしれない。でもちょっと通常の意味を覚えるやり方とは雰囲気が違うなっていうことは感じられるんじゃないですか。

次のステップ行きますよ。皆さん今「想像」するっていうことのほんの入り口をやりました。このカードの絵みたいだと想像するんですよ。見て下さい、皆さんお手元にカードあったらそれをじっくり見てみてください。

このカードの絵みたいって「想像」するってことはいいですか、「彼から電話が来ますか?」っていう風に待ってる人がいたら、「あんた、彼から電話くるって待っててもダメでしょ」ってことになるでしょ。次のステップは15日にやるプロ向けの講座でお話します。

もう一度言いますよ、このカードが何か始めようとしてるにも関わらず、次回くわしくやるけど、例えばですよ、「受験を合格しますか?」って聞かれたら、このカードが出たら「合格するのかしないのか」てみんな考えちゃいません?

これ、カードのメッセージ受け取ってます?合格するカードじゃないじゃないですか?合格するかどうかって言われたら「あなたね、目の前のものを使って自分がやりたいことをやりなさい」っていうことじゃないですか。

それがその受験生にどういう意味をもつかは、もちろん受験生によって違ってきます。でも大まかにいうと「始めなさい」って感じじゃない?噛み砕いて言えば。

もちろんちゃんとしたリーディングのときには、もっと深い意味がこのカードのイメージから現れてくることの方が多いです。でも今のリーディングの入り口的な感覚わかります?

別のカードでやってみましょうか。別のカードでもっと深いところまでいきましょう。

今日は皆さん、想像力を働かせるために、先ほど「〜みたい」って話をしました。これです。「直観」て言葉はみんな使うじゃないですか。タロット占い師には「直観」が大事、じゃ皆さん、タロット占い師に「直観」が大事と信じるならば、意味を暗記するのは止めたほうがいいと思います。

どうしてかお話しましょう。直観的にカードをリーディングするためには、「直観」がどうしたら働くの?と思う人がいると思うので助言をします。想像力だったら「〜みたい」てやればよかったんですね。そのように簡潔に説明します。

直観的にリーディングするためには「〜として見る」のをやめるって事なんです。やめるんです。

「〜として見る」って言うのは、皆さんカードに対して意味を暗記してると、そのカードをその意味として見ちゃうんですよ。「恋人」のカードがあったら「恋人っていうタイトルだから恋愛がうまくいく」って、「恋人」のカードを恋愛がうまくいくカードとして見ちゃうんですよ。わかります?

「正義」のカードだったら、裁判のカードって覚えたら裁判のカードとしてみちゃうんですよ。これが皆さんの誰もが持っている直観が働かなくなる状態なんですよ。

これを裁判のカードとか、何か皆さんが覚えている占い上の意味を一回全部外して、この「正義」のカードを見てください。天秤と剣を持ってますね。

また先ほどのように絵を描写しますよ。天秤と剣を持っています。正しさに関係あります。正しさということが天秤と結び付けられてるということを想像してみてください。

これはイタリアで生まれたタロットですが、日本人でも天秤と正しさは連想で結びつきませんか?どっちにしようかなって正しい選択をしようとするする時に、皆さん天秤を働かせません?

「AくんBくんどっちにしようかな」というときに、「また天秤にかけて」って言いませんか?天秤にかけるでしょ。天秤にかけて正しいことを判断せよと言ってるわけですから。

で、剣を持ってるじゃないですか。あることが、どちらが正しいかという判断を天秤でした後は、剣で「割り切れ」って言いません?「切ってしまえ」といいません?余計なものは。正しいものに準じろってことなんです。これが正義のカードの超簡単な図像の説明です。

カードの意味を暗記するんではなくて、このカードの絵をさっきのマジシャン以上に少し丁寧に説明しました。簡潔ですけど。このカードの持ってる、この図像の元々のアレゴリー寓意を今説明しています。

このシンプルな説明で皆さんは「正義」のカードは正位置だったら裁判に勝つとか、逆位置だったら裁判に負けるとかやめて、やめました?やめたら、僕の説明で「正義」のカードをもう一回見てください。

このカードはどう見たって、いいですか、このカードが出たときには「天秤で正しいものを判断し、余計なものは切り落とせ」って絵に見えてきませんか?このとき皆さんは「〜として見る」ことをやめて、初めてカードを直に見ることができるようになっています。

「直観」てどう書きます?直に観るって書きませんか?「〜として見る」ことをやめることで、直観に近づいてくんです。

「〜として見る」時に皆さんは、直感でもなく思考を働かせてるんです。「このカードの意味何だっけ?裁判では勝つんだっけ?」考えてるんです。考えるのをやめるんです。考えるのをやめて絵を見るんです、直に。

そうすると、もう一度言います、天秤を持って剣を持ってるこの人は正しさです。「正しいものに準じろ」と言ってます。正しいものとは何か、天秤で計れと言ってるんです。

皆さんこういうことですよ。「AかBどっちにしようかな」って言ったら、えてして占いで「Aにしようかな、Bにしようかな」と決めようとするでしょ。このカードが出たら、AかBかっていう時に「天秤にのせてきちっと正しい答えを出せ」っていうメッセージなんですよ。

この正義のカードの話のさらに深いのは、さっき言ったプロ向けのやつでやります。この段階で、深いリーディングに入る前でも、はい、「ちょっかん」という言葉の漢字を変えました「直感」。直に感じるという、タロット占いに最も必要な感性に近づきます。直に感じるっていう感性ですよ。

僕が本講座でよくやる初心者向けのエクセサイズやりますよ。お手元にカードがある方はお手元のカードを、ない方はこれを見てください。占う前にいいですか、今自分が何か迷ってるとか悩んでるって事をリアルに想像してみてください。

「どうしよう、どうしたらいい?」「カードに聞いてみようかな」っていうふうに思ってください。リアルに。想像しました?悩んでるんですよ。「どうしようかな、タロットに聞くしかない」と思ってるんですよ。

そのときにこのカードが出ました。カードをひっくり返しますよ。そのときにこのカードが出たらなんて言ってます?メッセージはなんて言ってます?悩んでることは適当に答えを出すんじゃなくて、色々状況を天秤にのせろっていう風に見えてきませんか?

これ考えなくても、皆さん慣れてくると、ぱっと開いた瞬間にカードのメッセージを感じることができるんですよ。感じたことを。あとは質問者に言語化して言葉で伝えます。言語化して言葉で伝えるっていうのは、それこそプロ向けの方の講座で、より詳しくやります。

でも今いいですか、「どうしよう」って悩んでいて、このカードがパッと出ました。考えます?皆さんこのカードを解釈しようなんて考える必要ないでしょ?このメソッドは、この説明しているやり方は、一切解釈に悩む必要がないんですよ。絵を直に見たらもう答えわかってるんです。

もちろんそのメッセージを言語化するための練習とかやり方っていうのはまた別に説明しますが、この段階で皆さん、初めての人でもいかがですか?悩んでることに対してぱっと出たんですよ。

何回もこれやってると、皆さん次第に、この人物を最初に見た時よりも自分の方に天秤と剣を突き出してるように見えませんか?何かを訴えかけてくるように感じませんか?画面だったら無理かな。実際の手元にあるカードだったら、感性豊かな人だったら感じられるはずです。

これが、ちょっと長くなりましたけど予定より、今日の講座の、次のステップに進むために勉強してる人、いきづまっている人への助言です。

つまり意味を暗記するっていうことをいったんカッコに入れて、絵を見るということなんです。絵を見たときに、今のようにこのカードのメッセージを受け取り始めると、通常のタロットの本に書いてある意味は、何か案外使いものにならないものが多いなって気づき始めます。その瞬間、皆さんのタロットの理解がかなり深まり始めています。

はい、そろそろ最後の締めね。昨日僕、タロットを初めて学ぶ人に自分の本をおすすめしましたけど、僕がね、こういったタロットの勉強の仕方を自分でやり始めた頃に参考にした本がこれなんですよ。

レイチェル・ポラック「タロットの書」。この本、実は自分で翻訳してるんですよ。なぜなら、この本が僕の最初の学びの一歩だったからです。タロットの占い方に関しては。

翻訳が出てるので、読んでくださってる方もいるし、買っただけで読んでない方も色々だと思うし、いいんですけど、その本って通常のタロットの占いのやり方をやろうと思ってる人からすると、意味不明な本なんですよ。

通常の一般的なタロットの本って、さきほど言ったような占い上のキーワードみたいなのが書いてあるじゃないですか。普通キーワードが書いてあるんですよ。それで、キーワードを覚えると思ってる人がこの本を読むととどうなるかっていうと、キーワードがどこまでいっても出てこないんですよ。

恋愛に出た場合こういう意味、逆位置だとこいういう意味ってまったく出てこないんですよ。じゃあこの本で何やってるかっていうと、皆さん今日最初に12星座を覚える時って、キーワードを覚えたんじゃなくて物語で覚えたって言ったじゃないですか。

この本ってすごい一枚一枚のカードの説明が長いのは、そうなんです。キーワードで伝えようとしてるんじゃなくて、物語でカード一枚一枚の説明してるんです。わかりますか?そういう観点で読むと非常に面白い本なんですよ。

でも通常の本のように、このカードが出たらどういう意味なんだろう?ていう風に読む人は、「なんかこれ初心者には難しい」訳のわかんないことになるんですよ。

これね、難しいとしたら、タロット初心者に難しいんではなくて、本を読み慣れてない人に難しいだけです。タロットの専門的な事っていうのが多少は出てくるけど、別にそこは読み飛ばしても全体は通じるような内容になってます。

もうひとつ、この本が苦手な人がいるとしたら、僕もそうでしたけども、神話からの引用が多いんですよ。だから、神話とか興味ない人は、神様の名前とか出てきた時にちょっとわけわかんないなってなります。

というのも、この本が最初に出たのは1980年です。この時代のタロットの本っていうのは、ユングっていう心理学者の影響を受けてるんですよ。ユング派のアーキタイプっていう考え方があって、このカードの絵は神話で言うとこういった神話と同じような基本パターンを持っている、が故にこのカードを説明する時の物語としてかくかくしかじかの神話を持ってきます、というスタイルで書いているんですよ。なのでちょっと読みづらいかも知れない。でも今の言ってる意味わかりましたかね。

カードを覚えるときにまず意味を暗記するんじゃない。でもこれだめですよ、よくあの「初心者はやっぱりキーワードを覚えたほうがいい。キーワードを覚えなくてもできるというのは間違ってる」という意見があるかもしれない。そう思われる方はそう思ってもいいけど、正しいやり方はないからね。でも僕は少なくともさっき言った、この道から最初スタートして、そして今に至ってます。

講座聞いた方はご存知のように、僕のこのスタイルだと、熟練してくると、自画自賛しますが、次回話しますが、1枚のカードを、台本も何も見ずにその場の思いつきで1時間でも2時間でも喋れるんですよ。

どうしてかっていうと、この絵からイメージして物語を作っていけるからです。そしてその物語に皆さん一人一人の状況を重ね合わせるわけです。小説や映画を見たときに、その物語に自分の人生を重ね合わせて「はっ」て思うことありません?

タロットの核心は物語を語るということなんです。絵のイメージを通して、そしてそれを現実に重ね合わせていくんです。それが私たちの生き方を改めて考えるさせることになる。

そしていつのまにか、時として、タロットのメッセージを学んでいくに従って、自分の生き方も少しずつ変わっていくかもしれない。それがさっき言った占星術の8ハウス的なテーマなんです。タロットと深く関わっていくことで、私達は変わっていけるかもしれない、そういうような意味です。

ということで今日はほんの入り口ですが、皆さんいかがですか。最初に念のために誤解のないように断っておきますが、このやり方が絶対正しいというふうに押し付けるつもりはないし、正しいやり方はないんです。

むしろ昨日「値段が高いから良いとは限らないので、あまりにも高額なところは考えたほうがいいですよ」と言ったのと一緒で、ここで皆さんに注意をしておくと「これが本当のタロットの意味です」とか「これが本当のタロット占いですって言ってるのは逆にちょっと避けたほうがいいかもしれません。

なぜなら、タロットは本当の意味なんていうのはないし、僕が最初に学ばせてもらったレイチェル・ポラックさん自身が「タロットはもっと自由になるべきだ」と言ってるんですよ。僕はそこから学んでいるので。皆さんが各自自由にやっていい。

ただ僕がこの自分のやり方を熱く語ったのは、レイチェル・ポラックさんから学んだやり方だし、僕自身が解釈して学んだやり方だし、僕はそれで今のタロットのリーディングができるようになってるので、自分でこれがいいと思ってるから熱く勧めています。

皆さんは今日のやり方をヒントにして、自分なりにタロットの世界を広げていってくれればいいんです。いつも僕の講座は全部そうです。無理やりこのやり方が正しいという押しつけはなるべくしないようにしています。

ただもちろん僕が良いと思ってるのはどうしても熱くなりますよ。だけどいつも断ってます。絶対に正しいわけではないので、いいと思ったところを皆さん採用して、自分なりのやり方を作っていってくださいというスタンスです。

長くなっちゃいました。占星術の余計な話をしたからだね。

あとね、宣伝目的に一つ言うと、今zoomでタロット一枚一枚の絵の説明を1回3時間で4〜5枚ずつやってます。途中参加できますし、録画もあるので、申し込めば見られます。興味を持った方はぜひ聴いてみてください。

伊泉龍一先生講座「基礎からしっかり学べるタロット」大アルカナ編

基礎からしっかり学べるタロット

zoomでリアルタイムの受講、後日に動画配信で受講、どちらもOK
1回3時間ずつ
受講料1回¥9,000

その他の伊泉龍一先生の無料ライブ配信の書き起こし

これからタロットを学び始める人のために2020/6/3

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